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2005 年度 実績報告書

歯髄炎の病態形成におけるリンパ球浸潤機構と歯髄線維芽細胞の役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16591915
研究機関徳島大学

研究代表者

藤中 恵子  徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00294710)

研究分担者 中江 英明  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (30227730)
尾崎 和美  徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90214121)
細川 義隆  徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90346601)
キーワード歯髄炎 / ケモカイン / サイトカイン / 細菌由来物質 / 線維芽細胞 / 歯周炎
研究概要

歯髄炎および歯周炎は口腔内の代表的な炎症性疾患であり、細菌の侵襲に対して歯髄や歯肉組織での免疫応答が惹起された状態にあることが知られており、炎症が進展するに従って著しいリンパ球浸潤が認められ、病態の進展に関与していることが示唆されている。しかしながら、どのような機構で炎症性細胞が病変局所に浸潤しているか、不明な点が多い。今回我々は、炎症性細胞浸潤に関与しているとされるケモカインに着目し、それらの炎症局所での発現について検索した。さらに歯髄組織ならびに歯周組織の主な構成細胞の一つである線維芽細胞に着目し、それらのケモカイン産生能について調べた。
歯髄炎病変局所では、T細胞浸潤に関与しているCXCL10の発現が認められ、同一部位にそのレセプターであるCXCR3を発現している炎症性細胞浸潤が認められた。また、歯周炎病変局所でもT細胞浸潤に関与しているCCL20,CXCL12ならびにフラクタルカイン発現が認められ、それぞれのレセプターを発現している炎症性細胞(CCR6,CXCR4,CX3CR1)発現細胞の浸潤が認められた。
また、歯肉線維芽細胞は炎症性サイトカイン(IFN-γ,TNF-α)や細菌由来物質(E.coli LPS)刺激などによりCXCL10産生が誘導された。また、歯肉線維芽細胞も炎症性サイトカイン(IL-1β,TNF-α,IFN-γ)、細菌由来物質(E.coli LPS,P.gingivalis LPSなど)の刺激により、CXCL12,CCL20,フラクタルカイン産生が上昇した。
これらの結果から歯髄炎ならびに歯周炎病変局所には多種のケモカインが存在し、それらが炎症性細胞の浸潤を制御している可能性が示唆された。これらのケモカインをターゲットにした炎症を制御するアプローチが考えられ、さらなる研究が必要であろう。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Expression of Fractalkine (CX3CL1) and its Receptor, CX3CR1, in Periodontal Diseased Tissue.2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshitaka Hosokawa et al.
    • 雑誌名

      Clinical and Experimental Immunology 136・3

      ページ: 506-512

  • [雑誌論文] CXCL12 and CXCR4 expression by human gingival fibroblasts in periodontal disease.2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshitaka Hosokawa et al.
    • 雑誌名

      Clinical and Experimental Immunology 141・3

      ページ: 467-474

  • [雑誌論文] Increase of CCL20 expression by human gingival fibroblasts upon stimulation with cytokines and bacterial endotoxin.2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshitaka Hosokawa et al.
    • 雑誌名

      Clinical and Experimental Immunology 142・2

      ページ: 285-291

  • [雑誌論文] 炎症性サイトカインおよびLPSはヒト歯肉線維芽細胞のCCL20産生を誘導する。2005

    • 著者名/発表者名
      細川 義隆ら
    • 雑誌名

      日本歯周病学会会誌 47巻・秋季特別号

      ページ: 166-166

  • [雑誌論文] 歯髄線維芽細胞における細菌由来因子によるIP-10発現2005

    • 著者名/発表者名
      細川 義隆ら
    • 雑誌名

      日本歯科保存学雑誌 48巻・春季特別号

      ページ: 105-105

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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