研究課題/領域番号 |
16591916
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
菅 俊行 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60243713)
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研究分担者 |
川崎 有希子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60294708)
石川 邦夫 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (90202952)
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キーワード | フッ化ジアミンシリケート / フッ化ジアンミン銀 / 象牙質知覚過敏症 / シリカ / リン酸カルシウム / 象牙質透過性 / 象牙細管内液 / フッ化カルシウム |
研究概要 |
現在、齲蝕進行抑制剤および象牙質知覚過敏症治療剤として臨床で用いられているフッ化ジアンミン銀(サホライド)は、塗布後に歯質が黒変することからその使用は主に乳歯に限定され、永久歯に多用することは困難であった。そこで我々は、銀成分をシリカに置換したフッ化ジアミンシリケートを調製して、その象牙細管封鎖効果を評価することにより、象牙質知覚過敏症治療薬として臨床応用可能かどうか評価を行った。ヒト抜去歯より調製した象牙質プレートに酸処理を行い、開口象牙細管を有する疑似知覚過敏象牙質プレートを作製した後、フッ化ジアミンシリケート溶液を3分間、綿球で塗布した。そして、フッ化ジアミンシリケート処理前後の象牙質プレートを操作型電子顕微鏡で観察した結果、フッ化ジアミンシリケート処理後には開口象牙細管は結晶性物質により緊密に封鎖されていた。また、象牙質プレートの象牙質透過性を測定した結果からも、フッ化ジアミンシリケート処理後には象牙質透過性が有意に減少し(89%減)、結晶が象牙細管内液の移動を遮断する能力を有していることが明らかとなった。フッ化ジアミンシリケート処理後に象牙細管内に析出した結晶の組成をX線マイクロアナライザーを用いて分析した結果、シリカ、カルシウム、リンが検出され、シリカ-リン酸カルシウム化合物であることが明らかとなった。その結晶のカルシウムとリンのモル比は2.0であったことから、リン酸カルシウムに加え、フッ化カルシウムの混在の可能性が示唆された。本研究の結果、フッ化ジアミンシリケートは開口象牙細管をシリカ-リン酸カルシウム化合物により緊密に封鎖し、かつ象牙細管内を移動する液体を遮断したことから、象牙細管内液の移動により発症すると考えられている象牙質知覚過敏症の治療法として有用であると考えられる。
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