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2005 年度 実績報告書

生体組織親和性素材を添加した直接覆髄剤の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16591917
研究機関長崎大学

研究代表者

柳口 嘉治郎  長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50264255)

研究分担者 池田 毅  長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90244079)
キーワード生体組織親和性素材 / キトサンモノマー / 直接覆髄
研究概要

6週令のウイスター系雄性ラットの下顎切歯に滅菌済み1/2ラウンドバーで円形窩洞を形成、先端の鋭利な探針で露髄部を形成した後、キチンモノマー(N-アセチル-D-グルコサミン)及びキトサンモノマー(D-グルコサミン)を覆髄剤として用い、グラスアイオノマーセメントで仮封した。
術後、0、1、3、5日後、露髄部を含む下顎切歯をできるだけ小さく摘出し、エポキシレジンに包埋後、切片を作製しトルイジンブルー染色後、光学顕微鏡にて歯髄創傷治癒過程の観察を行った。
術直後、窩洞内は貼付したそれぞれの材料で満たされ、その間隙には赤血球が観察された。また、これらに接した再表層の歯髄組織には変性、壊死した細胞が存在していた。術後1日目、窩洞内の大部分は貼付した材料で満たされ、細胞間隙にはわずかであるが好中球が散在していた。今回使用した2種類の材料を比較した場合、キチンモノマーを用いたほうがより強い炎症反応を示していた。術後3日目、キトサンモノマーを用いた方は、窩洞内に貼付した材料の大部分は消失し、同部は線維芽細胞によって満たされ、炎症性細胞の浸潤はほとんど見られなかった。しかし、キチンモノマー貼付群では表層に壊死組織が観察された。術後5日目、キチサンモノマー貼付群ではさらに線維芽細胞の浸潤は進み、露髄部付近には象牙芽細胞様細胞も観察された。キチンモノマー貼付群も窩洞内への線維芽細胞の浸潤が見られたが壊死組織も一部残存していた。
今回用いたキチン/キトサンモノマーは従来型(ポリマー)と比較して初期の炎症反応は軽度だった。しかし、キチンモノマー貼付群では壊死組織が残存し、炎症性細胞の浸潤も実験期間中観察された。しかしキトサンモノマー貼付群では早期に線維芽細胞で置換され、大型の象牙芽細胞様細胞も出現し石灰化物もわずかであるが確認することができた。
よってキトサンモノマーは生体親和性素材として極めて優れていると考えられる。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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