研究課題/領域番号 |
16591918
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
久保 至誠 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (80145268)
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研究分担者 |
横田 広彰 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90301366)
川崎 浩二 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (60161303)
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キーワード | EBM / くさび状欠損 / 根面う蝕 / 臨床試験 / 進行・拡大速度 / 辺縁漏洩 / コホート調査 / 1ステップ接着システム |
研究概要 |
1.口腔内の印象採得によるくさび状欠損の進行・拡大速度に関する資料収集は、調査期間5年をもって終了とした。今後、高速3次元形状測定システムを用いた測定を本格的に実施する。調査期間中の速度変化、ベースライン時の欠損の大きさ・深さと進行速度および歯種と進行速度の関係など、さらに詳細に検討を加える計画である。 2.くさび状欠損部コンポジットレジン修復(71例)の臨床成績(コホート調査)は、1例を除き7年後も依然として良好な経過を示していた。 3.これまで、くさび状欠損の進行・拡大速度に関する研究に参加していた患者の協力を得て、第2世代の1ステップ接着システムを用いてランダム化比較臨床試験を新たに開始した。本試験では、接着システムの性能比較(S^3-Bond:60例;G-Bond:61例)ならびにコンポジットレジンの種類の比較(ハイブリッド:60例;フロアブル:53例)に焦点を当てている。なお、試験に用いた接着システムの選定に当たっては、昨年度の基礎研究のデータを参照した。まだ、半年間しか経過していないが、今までのところ全症例良好な成績を示している。 4.修復物の臨床成績に関する後向き調査を実施し、生存分析を行った。さらに、再治療の原因や方法、患者要因、術者要因についても検討を加えた。その結果、1994年以前の接着システムを用いて修復されたくさび状欠損を含む歯頸部のコンポジットレジン修復の臨床成績は他の部位より著しく低い生存率を示した。しかし、接着システムの進歩によって臨床成績が飛躍的に改善されていることが判明した。また、再治療の主原因は脱落であることも明らかになった。 5.根面う蝕の臨床研究に関しては、研究協力者の募集をしているが、症例数は未だ少ない。今後も募集を継続していく。
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