研究課題/領域番号 |
16591918
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
久保 至誠 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (80145268)
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研究分担者 |
横田 広彰 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (90301366)
川崎 浩二 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (60161303)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | EBM / くさび状欠損 / 根面う蝕 / 臨床試験 / 進行・拡大速度 / 辺縁漏洩 / コホート調査 / 1ステップ接着システム |
研究概要 |
(1)最新の1ステップ・セルフエッチシステムの接着強さは従来の1ステップ製品より有意に向上していた。しかし、エアブローの方法など、テクニックセンシティブな点があることも指摘された。 (2)2ステップ・セルフエッチシステム(Liner Bond2)と2ステップ・トータルエッチシステム(Single Bond)を用いたくさび状欠損部のコンポジットレジン修復は、9年経過後も良好な経過を示していた。 (3)最新の1ステップ・セルフエッチシステム(S^3BondとG-Bond)を用いたくさび状欠損部コンポジットレジン修復では、2ステップ・セルフエッチシステムに比較すると、脱落症例と辺縁着色が早期に認められたが、90%以上は18ヶ月も臨床的に問題なく経過していた。 (4)ハイブリッドレジン(Clearfil AP-X)とフロアブルレジン(Flow FX)の臨床成績を比較した結果、18ヶ月経過した時点で差は認めらなかった。 (5)歯頸部コンポジットレジン修復では、研究代表者と代表者以外の間で臨床成績に著しい差が認められた(10年生存率、研究代表者:86%;その他:54%)。 (6)歯頸部コンポジットレジン修復の再治療の主原因は脱落であった。しかし、歯種別に見ると、前歯では二次う蝕、臼歯では脱落と主原因が異なった。 (7)くさび状欠損を5年間モニターした結果、平均進行速度は約70μm/年であった。 (8)慢性期(停止期)にある歯頸部う蝕(根面う蝕も含む)は、フッ素塗布などの再石灰化療法を行わないでも、経過観察中(5〜8年)ほとんど進行しなかった。 (9)再修復の判定、意思決定に関するアンケート調査の結果、症例によっては、歯科医師間で判定基準に大きなばらつきがあることが判明した。 (10)長期経過観察症例からモニタリングしながら線あるいは面で見ることで、より正確な診断や再治療の意思決定ができることが示唆された。
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