研究課題/領域番号 |
16591922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
木村 裕一 昭和大学, 歯学部, 助教授 (60211877)
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研究分担者 |
山田 嘉重 昭和大学, 歯学部, 講師 (40360127)
木下 潤一朗 昭和大学, 歯学部, 講師 (90360122)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 根尖病巣 / ラット / 組織学的解析 / レーザー / 根管拡大 / 根管貼薬剤 / 治癒過程 / Healing process |
研究概要 |
8週齢の雄性ウイスター系ラット(200-300g)の左右下顎第1臼歯近心根を用いて、天蓋を除去し歯髄を10号のファイルで除去し、仮封せずに解放状態にした。1ヶ月後、エックス線写真を撮影して、根尖病巣の大きさを確認し、一方を通常の拡大方法としてGrossmanの方法を用いて30号まで拡大し、通常の相互洗浄と乾燥を行った。もう一方をEr : YAGレーザーを用いて2Hzで34(弱)、68(中)、102(強)mJ/pulseの照射条件で根管拡大を行い、相互洗浄と乾燥を行った。水酸化カルシウムを貼薬し、光重合型レジンで仮封を行った。術直後、1、2、4週間後、ラットを屠殺して下顎骨を摘出し、10%中性緩衝ホルマリン液にて48時間低温(4℃)にて固定し、15%EDTA(pH7.4)を用いて約2週間脱灰した。パラフィン包埋後、厚さ5μmの組織切片を作成し、染色法としてまずH・E染色を行い、次にTRAP染色とALP染色を行った。その結果として、弱い照射条件では歯根周囲組織には特に熱的影響は認められず、通常の方法より根尖病巣の治癒が少し促進される傾向にあったが、統計学的には有意な差はなかった。中程度の照射条件では一部に歯根表面の吸収があり、TRAP染色では破骨(歯)細胞が認められた。根尖病巣の治癒促進にはならなかった。強い照射条件では大部分の歯根(80%)において熱的影響があり、歯根表面は吸収が始まって、TRAP染色では破骨(歯)細胞が多く認められ、ALP染色では活性がなかった。通常の方法と比較すると逆に根尖病巣の治癒が遅れる傾向にあった。根管貼薬剤の根尖病巣の治癒過程に及ぼす影響については、水酸化カルシウムを使用した方が、他の貼薬剤よりほんの少し病巣の治癒促進効果が認められたが、有意な差とはならなかった。今後は経過観察期間をさらに長期に渡って行う必要がある。また、オステオポンチンをマーカーとして石灰化の過程における役割を解析する実験を予定している。そして、石灰化を促進する薬剤等がないか検討中である。
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