研究概要 |
本年度は,まず,初年度に基本構造を完成したスプリント内蔵圧センサ(ピエゾフィルム)・振動子,検出装置,記録装置,刺激発生装置から構成されるブラキシズム抑制システムを3名の健常被験者を対象に実際の睡眠中に運用し以下に示す本システムの問題点を抽出した。 1.圧センサが埋入される上顎スタビリゼーション型スプリントが有線(絶縁コード)で検出装置と連結されるため,コードの走行が被験者に対して違和感を与える. 2・被験者自らがパームトップコンピュータを操作する必要があり,誤操作により測定がうまくゆかない場合がある. 3.振動刺激が強すぎて刺激により被験者の睡眠が妨げられ覚醒する場合がある. これらの問題点に対応して以下の改良を行った. 1.睡眠中,被験者にとって最も違和感が小さいコードの設定位置を検索し,その結果から口角部からコードが導出されるように設定した. 2.専用のソフトウェアの簡便化と操作性の向上を行い,被験者自身が簡便にかつ確実に本システムを運用することができるようにした. 3.刺激発生装置に刺激強度調整機能を付与し被験者毎に刺激強度を設定できるようにした. これらの改良を終え,実際にブラキシズム習癖自覚者1名を対象に本システムを運用し,ベールライン1週間,刺激期間1週間の測定を行い振動刺激のブラキシズム抑制効果を評価した.
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