研究概要 |
本年度は,初年度に基本構造を完成したスプリント内蔵圧センサ(ピエゾフィルム)・振動子,検出装置,記録装置,刺激発生装置から構成されるブラキシズム抑制システムを,臨床応用を視野に入れて改良し,これを用いて以下の研究を行った. American Academy of Sleep Medicine, The International Classification of Sleep Disorders-2に従い本学歯学部附属病院来院患者をスクリーニングし,睡眠時ブラキシズム患者4名に研究参加を依頼した.同意の得られた被験者に対してピエゾフィルムと振動子を内蔵したオクルーザル・スプリントを製作した. これらの被験者を対象に,ベースライン1週間,フィードバック刺激期間1週間,治療後1週間,各1週間の睡眠時ブラキシズムを測定し,各セッション間のブラキシズム持続時間を(sec/hour)を比較した. すべての被験者が問題なく自宅にて3つのセッションの測定を遂行することができた振動刺激期間中のブラキシズム持続時間はその程度に個人差が認められるものの,短縮する傾向が認められた.本研究結果により振動刺激を用いた本システムは自宅環境において患者自身が使用することができ,ブラキシズム抑制システムとして有効である可能性が示唆された.
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