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2004 年度 実績報告書

全身的骨粗鬆症と歯槽骨骨梁構造変化との関連性

研究課題

研究課題/領域番号 16591938
研究機関新潟大学

研究代表者

田中 みか子  新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (20361909)

研究分担者 河野 正司  新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50014098)
江尻 貞一  新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40160361)
中島 貴子  新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40303143)
澤田 宏二  新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60313524)
キーワードエストロゲン欠乏 / 骨粗鬆症 / サル / 歯槽骨 / 骨梁 / 骨形態計測
研究概要

【目的】
顎顔面領域においても,エストロゲン欠乏による骨粗鬆症が生じる可能性が指摘されている.近年,エストロゲン欠乏が歯の喪失を促すことを示唆する疫学的研究が報告された.そこで本研究では,エストロゲン欠乏と歯の喪失との関連を明らかにする目的で,卵巣摘出サルの犬歯歯槽骨の骨密度(BMD)と骨構造の変化を解析し,腰推や橈骨の骨密度変化と比較検討した.
【方法】
雌カニクイザル(成猿)12頭に,卵巣摘出(OVX),または偽手術(Sham)を施し,経時的に腰推BMDを測定して76週目に屠殺した.下顎骨と橈骨を摘出し,既設のpQCTを用いて右側下顎犬歯遠心前頭断面(霊長空隙)およびオトガイ孔を通り下顎骨下縁に平行な面(オトガイ孔水平断面)の海綿骨,皮質骨BMD,および右側橈骨近位端の海綿骨BMDを測定した.
続いて,μCTを用いて犬歯遠心歯槽骨の海綿骨微細構造を観察した.また,犬歯頬側中央部における歯槽骨稜の高さおよび第一大臼歯の咬耗具合を観察した.
【結果】
OVX群の腰推BMDは,実験前後で有意に減少した.また,橈骨BMDおよび下顎霊長空隙の海綿骨BMDにおいてもOVX群がSham群より有意に低値を示した.
また霊長空隙の海綿骨BMDは,霊長空隙皮質骨,下顎水平断面海綿骨・皮質骨BMD,および歯槽骨稜の高さ,さらには腰推,橈骨BMDと有意に相関していた.すなわち,霊長空隙の海綿骨BMDは,下顎骨BMDだけでなく,腰推,橈骨といった全身骨のBMDと呼応していた.
OVX群の犬歯遠心歯槽骨は,固有歯槽骨の方へ骨髄腔が拡大し,固有歯槽骨の菲薄化が認められた.
以上より,卵巣摘出サルの下顎犬歯遠心歯槽骨では,腰推や橈骨の粗鬆化と呼応して粗鬆化が生じていた.従って,骨粗鬆症患者の歯は脆弱な歯槽骨で支えられており喪失しやすい可能性が示唆された.今後は,画像上で歯を除去し,歯槽内面構造についてより詳細に検索する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] エストロゲン欠乏による歯槽骨梁構造の変化に関する基礎的検討2004

    • 著者名/発表者名
      田中みか子
    • 雑誌名

      日本歯科医師会雑誌 57(4)

      ページ: 439

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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