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2004 年度 実績報告書

舌による食塊保持は誤嚥防止の鍵となるか

研究課題

研究課題/領域番号 16591954
研究機関広島大学

研究代表者

吉田 光由  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50284211)

研究分担者 赤川 安正  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00127599)
津賀 一弘  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (60217289)
田地 豪  広島大学, 病院・助手 (80284214)
キーワード舌圧 / 嚥下
研究概要

申請者らは,広く臨床に応用可能な簡便な舌圧測定装置を開発(文部省科学研究補助基盤C課題番号14571845),加齢による舌圧の変化を検討した結果,高齢者においては舌圧が低下していることを明らかにした(Int.J.Prosthodont,2002)。舌圧は食塊の保持や送り込みに関与していることから,加齢に伴う口腔咽頭期嚥下の遅延に舌圧の低下が関係している可能性を着想した。
本装置はディスポーザブルプローブを上下歯で噛んで測定することから,軽い開口状態により測定することとなる。従って,嚥下時に創出される圧は通常の嚥下時とは異なることが想定されることから,本年度はまず,本装置で得られる嚥下舌圧の妥当性について検討した。すなわち,この装置による測定結果を,閉口状態で口蓋正中部の前方,中央,後方の3ヶ所の舌圧が測定できるKAY社の舌圧測定装置(ビニルシリコン製,直径13mm,高さ5mmの半円状の風船が8mm間隔で3個連なって受圧部が構成されている)で得られた舌圧と比較し,その相関について,若年健常対象者22名(男性13名,女性9名,平均年齢31歳)を用いて検討した。
その結果,我々の開発した舌圧測定装置による最大舌圧は32.7±5.3Pzであり,KAY社の舌圧測定装置では前方部41.8±13.6Pz,中央部31.8±14.5Pz,後方部29.8±14.9Pz,全体の平均34.8±10.7Pzとなり,後方部以外とは有意な相関が認められた(p<0.05)。同様に嚥下舌圧においても,本装置は13.1±8.8Pzであり,KAY社では前方部6.5±8.5Pz,中央部6.9±7.7Pz,後方部12.0±8.1Pz,全体の平均8.5±7.1Pzとなり,すべての部位において有意な相関が認められた(p<0.05)。
これらの結果は,我々が開発した簡易型舌圧測定装置が舌全体により創り出される圧力を適切に測定できていることを示しており,嚥下時の舌圧測定にも利用できることを示唆している。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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