研究概要 |
歯科用電子機器による埋め込み型除細動装置に対する電磁障害(EMI)を調査するために、以下の計画を実行した。 (1)測定システムの構築と実験条件の設定 電磁障害測定を行うために、人体をシミュレートした水槽(世界標準的に用いられているIrnichモデル)を用いて、歯科診療環境における測定システムを構築した。測定する歯科用電子機器は、歯科診療室で標準的に用いられる電子機器のうち、本学付属病院で用いられているもの8種19機種貸与を受けた。測定機器は埋め込み型除細動装置のメーカー(メドトロニック株式会社)より貸与を受けた。 実験条件は、埋め込み型除細動装置を装着している患者の歯科診療を行う場合を想定し、デンタユルニット(歯科用治療椅子)に人体シミュレート水槽を固定、歯科用電子機器を実際に動作させて測定した。 (2)予備調査 予備実験は、電界計測器を用いた外部漏洩電磁界測定をスクリーニングとして行い、比較的高値(ELF : Extra Low Frequency 2000V/m,交流磁束密度100μT,静磁束密度10Gauss)が測定された機器に対し、EMI測定を行った。測定は生体をシミュレートした人体模型内の水槽に生理食塩水を満たし、水深12mm下に電極リード線を装着したICDを設置し、電源のOn/Offおよび持続通電を行いながら、距離・方向を変えて測定を行った。 (3)成果報告 予備調査結果により、歯科用電子機器による埋め込み型除細動装置に対する影響の概要が結果として得られたので、第15回日本老年歯科医学会学術大会にて「歯科用電子機器による植え込み型除細動装置(ICD)への電磁障害(EMI)」として報告した(2004年9月18日)
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