歯科用電子機器による埋め込み型除細動装置に対する電磁障害(EMI)を調査するために、以下の計画を実行した。 (1)測定システムの構築と実験条件の設定 電磁障害測定を行うために、人体をシミュレートした水槽(世界標準的に用いられているIrnichモデル)を用いて、歯科診療環境における測定システムを構築した。測定する歯科用電子機器は、本学付属病院で用いられているものの貸与を受け、測定機器はメーカーより貸与を受けた。 実験条件は、埋め込み型除細動装置を装着している患者の歯科診療を行う場合を想定し、デンタユルニット(歯科用治療椅子)に人体シミュレート水槽を固定、歯科用電子機器を実際に動作させて測定した。 (2)調査 調査は、各種歯科用電子機器の外部漏洩電磁界測定を行い、影響が観察された機器に関して人体模型にて電磁障害測定を行った。 (3)学会報告等 調査結果により、歯科用電子機器による埋め込み型除細動装置に対する影響の概要が結果として得られたので、第15回日本老年歯科医学会学術大会にて「歯科用電子機器による植え込み型除細動装置(ICD)への電磁障害(EMI)」として報告し、第20回日本心臓ペーシング・電気生理学会学術大会教育セミナーに講師として講演発表を行った。
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