研究課題/領域番号 |
16591978
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
織田 光夫 弘前大学, 医学部, 助手 (30359492)
|
研究分担者 |
朝比奈 泉 東京大学, 医科学研究所・幹細胞組織工学研究部門, 助教授 (30221039)
丸岡 豊 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (10323726)
成田 憲司 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (50374848)
|
キーワード | 血管柄付誘導骨 / rhBMP-2 / 培養粘膜 / 血管柄付骨粘膜弁 |
研究概要 |
血管柄付骨粘膜弁の作成 ラットの口腔内から、口蓋、歯肉、舌、頬粘膜を採取して、種々の培地を使用して培養を試みた。ヒト角化細胞培地、ラット角化細胞培地、αMEM培地などを使用したが、もっとも培養として成功を収めたのは、歯肉とαMEM培地の組み合わせであった。コンフルエントになった細胞を回収し、コラーゲンシート上に再度培養した。細胞の重層化を確認したのち移植に供した。 ラット大腿動静脈から腹壁に向かう浅下腹壁動静脈を剥離挙上し、これに栄養される腹部皮下脂肪を血管系と共に挙上した。シリコンで作製した鋳型の片方にコラーゲンスポンジに含浸させたrhBMP-2を填入し、血管柄付腹部皮下脂肪を鋳型の中に挿入して、ラット大腿部を閉鎖した。2週間後、鋳型を取り出したところ、脂肪の片面に骨が形成されていた。脂肪のままの片面に、さきのコラーゲンシート上の培養粘膜を縫合固定し、再度鋳型に挿入し、大腿部を閉鎖した。2週間後、鋳型を取り出したところ、骨-脂肪-培養粘膜という順に層状になった、血管柄付移植片が完成した。 この移植片を通報に従い脱灰、ヘマトキシリン-エオジン染色を施し、光学顕微鏡で観察した。骨組織は連続性を持ち、十分に成熟したものであった。培養組織は線維牙細胞と角化細胞が混在しており、通常の粘膜組織とは異なる形態を示していた。また、角化細胞は線維牙細胞中で嚢胞用の構造を示すものも認められた。 今回作製された移植片は、厳密な意味では骨粘膜弁とは言い難い構造ではあるが、ラット粘膜の場右葉方法に工夫のの余地がまだあること、ヒトの粘膜の培養方法は確立されていることから、発展性が望めるものと思われる。
|