研究課題/領域番号 |
16591986
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
永田 昌毅 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10242439)
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研究分担者 |
高木 律男 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20143795)
長島 克弘 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (90334672)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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キーワード | 歯槽骨 / 再生 / FGF2 / ゼラチンハイドロゲル / 徐放 / 分子生物学 / 再生医学 |
研究概要 |
1.マウス(5週齢ddY)歯槽骨骨膜下でゼラチンハイドロゲル徐放システムを用い、rhFGF2の局所濃度を保つことで歯槽骨が再生することを実証した。 rhFGF2の徐放期間を14日とし、その総量を変化させることで、効果的に歯槽骨が再生する条件を組織学的に検討した。その結果、rhFGF2の徐放量が20μg以上であるとき、安定した骨の再生が生じたが、徐放量を100μgとした群では脂肪組織の増生を伴うことが分かった。これらの実験から、20μgのrhFGF2を14日かけて徐放することで、効果的な歯槽骨再生が得られると仮定した。加えて、この条件下でマイクロCTと画像解析機器を用い、徐放開始後4週目の(歯槽骨を含む)rhFGF2徐放側片顎上顎骨体積を測定した。その結果、ゼラチンハイドロゲル単独をインプラントした群(コントロール群)に比べてゼラチンハイドロゲルを用いてrhFGF2を徐放した群では、その体積が平均160%(1.6倍)となり、統計分析からもP=0.01水準で有意に歯槽骨が再生することが示された。 2.組織学的・分子生物学的解析を開始した。 1.で示したrhFGF2 20μg,徐放期間14日間を標準プロトコルとし、歯槽骨の組織学的な形成機序を経時的に観察した。その結果、徐放開始後7〜14日目に骨膜様細胞が一時的に増加し、その後急速な骨の再生をみとめた。骨模様細胞は28日目にかけてその数を減少させていった。我々はこの骨模様細胞に着目し、この細胞が骨形成活性を持つことを証明し、また、rhFGF2を発端とする分子機構の動きを解明するために、増殖活性や骨芽細胞系細胞マーカーの検出およびFGF関連遺伝子の発現定量分析を行っているところである。
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