研究課題/領域番号 |
16592003
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
宮本 洋二 秋田大学, 医学部, 助教授 (20200214)
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研究分担者 |
石川 邦夫 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (90202952)
武知 正晃 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (00304535)
福田 雅幸 秋田大学, 医学部, 講師 (20272049)
永井 宏和 秋田大学, 医学部, 助手 (50282190)
三好 康太郎 秋田大学, 医学部, 助手 (40312714)
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キーワード | 生体材料 / ポリマー / スキャホールド / ハイドロキシアパタイト / 再生医療 |
研究概要 |
再生医療では、細胞だけでなく、細胞の足場となるscaffoldが重要である。骨再生用のscaffoldとしてはハイドロキシアパタイト(HAp)が有用であるが、HApは体内で吸収されず、異物として残留する欠点がある。申請者は、この問題を解決するには、吸収性高分子ポリマーを利用することが有効と考え、ポリ乳酸(PLLA)とポリグリコール酸(PLGA)の共重合体を用いて連続気孔を有する多孔体の作製に成功した。さらに、この材料に骨伝導性を付与するために、HApを添加したHAp-PLGA複合体を作製し、基本物性、細胞接着性及び生体親和性についての検討を行った。 ジメチルスルポアミドにPLGA(75/25)を溶解後、直径600μm、1mm、2mm、のショ糖を加え、solvent-casting particulate leaching法により気孔径の異なる連続気孔体を作製した。気孔径は、ショ糖径の大きさに比例した。次に、HAp-PLGA複合体の作製を行い、機械的強度と収縮率を検討したところ、HAp添加量の増加と伴に、機械的強度は大きくなり、収縮率が減少することが明らかとなった。X線回折の結果では、PLGAにHApを添加は、HApの組成に変化を与えなかった。さらに、気孔径の異なる試料おけるMC3T3-E1細胞の接着率を測定した結果、1mm以上のショ糖を用いたHAp-PLGA複合体が、600μmのショ糖を用いたものと比較して高い細胞接着性を有していた。ラット皮下の埋入実験では、HAp-PLGA複合体は、PLGA多孔体に比較して埋入初期で炎症反応が少なく、生体親和性が優れていることが観察された。 以上の結果より、PLGA多孔体と比較してHAp-PLGA複合体は、機械的強度および生体親和性に優れ、その気孔径を変化させることで、より細胞接着性が向上し、優れたscaffoldとなり得ることが示唆された。
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