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2004 年度 実績報告書

音楽を用いたリラックス歯科外来の中枢神経・自律神経・循環動態に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 16592010
研究機関鹿児島大学

研究代表者

椙山 加綱  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50124772)

研究分担者 横山 幸三  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80191518)
岸田 朋子  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80347096)
キーワード精神鎮静法 / 音楽鎮静法 / 笑気吸入鎮静法 / 中枢神経系 / 自律神経系 / 循環動態
研究概要

歯科診療室を訪れる患者の多くは程度の差はあるものの歯科治療に対する不安感や恐怖心を抱いている。従来から、種々の精神鎮静法を利用して歯科治療中の精神的ストレスを軽減しようとの努力がなされてきたが、われわれは専門外来としてリラックス歯科外来を開設し、音楽と笑気吸入鎮静法を併用した精神鎮静法を実施している。本研究では、有志健康成人を対象とし、自律神経機能測定装置APGハートレータSA-3000Pを用いて、音楽と笑気吸入鎮静法との併用による精神鎮静法が、中枢神経、自律神経、循環動態に及ぼす影響を検討した。
その結果、自律神経活動に占める交感神経活動の比率を表すNormalized LFは対照群で39.696であったが、笑気吸入群では35.226と減少し、音楽+笑気吸入群では31.546とさらに減少した。自律神経活動に占める副交感神経活動の比率を表すNormalized HFは、対照群で60.304であったが、笑気吸入群では64.773と増大し、音楽+笑気吸入群ではさらに増大して68.454となった。交感神経活動と副交感神経活動の比率を表すLF/HFは、対照群で0.8924であったが、笑気吸入群では0.6824と低下し、音楽+笑気吸入群では0.6152とさらに低下した。心臓迷走神経活動の指標であるRMS-SDは、対照群で45.2746であったが、笑気吸入群では48.2630と増加し、音楽+笑気吸入群ではさらに53.2302と増加した。
以上の結果より、音楽と笑気吸入を併用する精神鎮静法は交感神経活動を抑制するとともに副交感神経活動を亢進することが判明し、精神的ストレスの軽減に有用であると考えられた。さらに、心臓迷走神経活動の亢進状態は心疾患や高血圧症など心臓循環器系疾患患者における循環動態の安定化にきわめて有効であると考えられた。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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