研究概要 |
プライマーの選択は既知のヒトVEGFシークエンス(GenBank)とDNA解析ソフト(TaKaRa)に基づいた。PCR産物(VEGF DNA断片)をベクター(pUC118 vector)に組み込んだ後,大腸菌に導入してplasmidの複製を行った。単一コロニーをアンピシリン添加LB培地に植菌し,精製後回収されたplasmid DNAの構造解析を自動シークエンサー(Applied Biosystem 373A)で行った。その結果、VEGF分泌シグナル領域を含む165のアミノ酸配列をコードするcDNA断片であることを確認した。 遺伝子活性マトリックスとして,ウシ真皮由来凍結乾燥アテロコラーゲン(10mg)を調整して,異なる濃度のplasmid DNA溶液(0,1.0mgのplasmidを含む)内に含浸させ,直ちに動物実験に使用した。 生物検定法として,4週齢ウィスター系雄性ラット背部皮下組織内に埋入した.1,3週後に摘出し,ヘマトキシリン-エオジン染色標本を作製した。光学顕微鏡観察結果より,コントロール群(plasmid DNAを含まぬ)に対して,実験群(plasmidを含む)では幼弱な血管の新生がコラーゲンマトリックス内に認められた。 本年度においては,最適なVEGF plasmid DNA濃度を決定するには至っていない。
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