研究概要 |
プライマーの選択は既知のヒトBMP-2シークエンス(GenBank)とDNA解析ソフト(TaKaRa)に基づいた.PCR産物(BMP-2 DNA断片)をベクターに組み込んだ後,大腸菌に導入してplasmidの複製を行った.単一コロニーをアンピシリン添加LB培地に植菌し,精製後回収されたplasmid DNAの構造解析を自動シークエンサーで行った. その結果,BMP-2分泌シグナル領域を含むアミノ酸配列をコードするcDNA断片であることを確認した. 遺伝子活性マトリックスとして,ウシ真皮由来凍結乾燥アテロコラーゲン(10mg)を調整して,BMP-2plasmid DNA溶液を滴下して,直ちに動物実験に使用した、なお,陽性コントロールとしてBMP-2タンパク質(10μg)溶液をアテロコラーゲン(10mg)溶液と混和後,凍結乾燥・複合化して動物実験に使用した. 生物検定法として,4週齢ウィスター系雄性ラット背部皮下組織内に全身麻酔下で埋入した.3週後に摘出し,ヘマトキシリン-エオジン染色標本を作製した.光学顕微鏡観察結果より,陽性コントロール群(BMP-2タンパク質含有)に骨誘導が確認されたが,実験群(BMP-2遺伝子含有)では血管の新生がコラーゲンマトリックス内に認められたものの骨・軟骨誘導を確認することができなかった.次年度は,BMP-2plasmid DNAの添加量を増加して硬組織誘導を評価する予定である.
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