研究課題/領域番号 |
16592021
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
高橋 愼一 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90197145)
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研究分担者 |
川島 淳子 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (00208357)
森本 光明 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90174458)
山根 源之 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (80096510)
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キーワード | 歯科金属アレルギー / パッチテスト / 紅斑指数 / 角質水分量 |
研究概要 |
1)歯科金属パッチテストの肉眼判定と角質水分量の比較予備実験 角質水分量の測定の条件設定のため、歯科金属アレルギー患者3名で肉眼判定と水分量の関係を計測した。水分計プローブを用いてモバイルメグザメーターで水分量測定したが、陰性・陽性反応と水分量に明らかな関係がなく、再現性にも問題が認められた。また紅斑指数については、パッチテスト試薬貼布部とその周囲の健常部位(テープ貼布部とその周囲の健常皮膚の2ケ所)を測定し、後者をコントロールとして前者の偏差値で評価することで陽性、陰性との相関が明瞭となった。さらにこれらの検査法の妥当性を評価するため、以下のマウスの接触皮膚炎モデルを用いてさらに検証した。 2)マウス接触皮膚炎モデルの耳介腫脹反応における耳介の厚さと紅斑指数、魚質水分量 皮膚感作3匹、口腔粘膜感作1匹、ノーマルマウス2匹における耳介腫脹反応の厚さ、角質水分量と紅斑指数測定し、相関の有無を検索した。耳介腫脹と紅斑指数には正の相関が認められた。しかし、角質水分量の測定では、プローブの当て方によるばらつきが大きく、実験前に予想された耳介の厚さとの負の相関関係は認められなかった。以上のことより、残念ながら、パッチテストの客観的評価に今回のシステムによる角質水分量測定が使用できないことが明かとなった。これは、角質水分量の測定が無意味という意味でなく、このシステムは利用できないということである。 3)正常人ボランティアと歯科金属アレルギー疑い患者の歯科金属パッチテストの肉眼的判定と紅斑指数測定 正常ボランティア20名と患者30名に金属シリーズパッチテスト試薬(鳥居薬品)を用いてパッチテスト施行。ICDRG基準にて3日目か7日目が+を陽性、2+以上を強陽性、-か+?を陰性とした。貼布による皮膚炎で判定が困難な症例は判定不能例とした。紅斑指数と比較すると、明らかな陽性例では、経時的に紅斑指数が増大する傾向が認められる一方、刺激反応と考えられる症例では、2日目をピークとして3、7日目と反応が低下する傾向が認められた。また、陰性例では3日目以降に偏差値が100以上となる症例は認められなかった。以上の結果より、パッチテスト施行後3日目、あるいは7日目に紅斑指数の偏差値が100以上を+以上と判定することとした。ただし、+と2+の区別については、症例数が少なく、今後さらに症例数を増やして基準を作成する必要がある
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