研究概要 |
本年度は,これまで研究代表者達が行ってきた二次的血管柄付き移植骨片の作製法に培養細胞を応用してさらに良好な移植骨が作製できるかを検索すると同時に,間葉系幹細胞から分化した骨芽細胞の担体として最適な生体材料の検索を行った. 1,間葉系幹細胞の培養に適した生体材料を検索するために各種生体材料を用いて間葉系幹細胞の培養を行った.その結果,コラーゲンスポンジを用いた場合に最も旺盛な骨形成を認め,コラーゲンスポンジが本研究に最適の生体材料であった. 2,ラットから単離した間葉系幹細胞を一定期間培養した後,骨分化培地中にて骨芽細胞に分化させ,コラーゲンスポンジとの複合体を一定期間培養する.次に,ラット大腿血管束を剖出し,あらかじめ血管の通る溝を作製したdiffusion chamberに留置し骨芽細胞-コラーゲンスポンジ複合体をchamber内に填入した(実験群).対照群としてdiffusion chamber内に骨芽細胞-コラーゲンスポンジ複合体を填入しただけで血管を留置しない群を作製した.手術後,経時的にX線学的,組織学的および生化学的検索,血管鋳型標本の作製を行い,骨形成を評価した.X線学的検索の結果,実験群は対照群に比較してX線不透過像が増大し,組織学的検索では旺盛な骨形成が確認された.また生化学的検索では実験群は対照群に比較して旺盛な骨形成を示す結果が得られた.この結果から培養細胞を応用して二次的血管柄付き移植骨片の作製が可能であることがわかった. なお,本研究の結果は第49回(社)日本口腔外科学会総会(2004 10.20-23 千葉)で発表した.現在,論文投稿準備中である.
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