研究概要 |
平成16年6月に交付された科学研究費補助金を用いて実施された本研究課題のこれまでの進捗状況を鑑みて、下記の3点が本年度の研究実績であると判断し、その具体的内容を要約して示す。 (1)マウス歯小嚢由来セメント芽細胞前駆体細胞の不死化とクローニング マウス切歯舌側中央部の歯小嚢片から採取した繊維芽細胞にヒトパピローマウィルスE6遺伝子を遺伝子導入して不死化し、長期培養を可能とした。Glut-1,EphA2,Decorin, Osteopontin, Bone sialoprotein等のセメント芽細胞高発現遺伝子をマーカーとして初期スクリーニングを行った。その後SCIDマウス内でセメント様石灰化物の生成を確認して最終的なスクリーニングを行い、マウス歯小嚢由来セメント芽細胞前駆体細胞株(MDF-E6△127)を得た。 (2)マウス歯堤由来上皮細胞株(MDE-E6△121)の発現するアメロジェニンとその変異体蛋白質の遺伝子組み換え蛋白質の作成 マウス歯堤由来上皮細胞株(MDE-E6△121)から精製したmRNAからcDNAライブラリーを作製した。アメロジェニンとその変異体蛋白質の全長cDNAをcDNAライブラリーよりクローニングし、PETベクターに挿入後、大腸菌に発現させ精製を行った。マウス骨芽細胞株MC3T3E1を用いてその精製蛋白質の生理活性を検討した。上述の(1)で得られたマウス歯小嚢由来セメント芽細胞前駆体細胞株(MDF-E6△127)に対する生理活性は現在検討中である。またマウス歯堤由来上皮細胞株(MDE-E6△121)に対するオートクライン効果も現在検討中である。
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