研究課題/領域番号 |
16592071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
米田 雅裕 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (10253460)
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研究分担者 |
廣藤 卓雄 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (10189897)
前田 勝正 九州大学, 大学院歯学研究院, 教授 (00117243)
阿南 壽 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80158732)
濱地 貴文 九州大学, 病院・講師 (80198811)
椛島 浩明 九州大学, 大学院歯学研究院, 助教 (20214504)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | Porhyromonas gingivalis / Tannerella forsythia / 混合感染 / 増殖促進 / 2型糖尿病発症マウス / プロテアーゼ欠失株 / 口臭 |
研究概要 |
近年、辺縁性歯周炎が複数の細菌の混合感染によって引き起こされていることが明らかになってきた。Porphyromonas gingivalisとTannerella forsythiaは、しばしば活動性の歯周炎局所から同時に分離されており、このことはこれらの細菌が歯周局所で何らかの共役作用を及ぼしている可能性を示している。 われわれは以前、P.gingivalisとT.forsythiaがマウス膿瘍モデルにおいて相乗的な病変形成を引き起こすことを報告した。今回、混合感染の影響をin vitroの実験系を用いて検討した結果、T.forsythiaの超音波抽出物を培地に添加すると、P.gingivalisの増殖が濃度依存的に促進されることが判明した。また、本増殖促進効果にはP.gingivalisのシステインプロテアーゼgingipainが関与していることも明らかになった。このことからP.gingivalisとT.forsythiaをマウスに混合感染させた場合、P.gingivalisがT.forsythia由来のタンパク成分を分解し増殖に利用していると推察される。 われわれはさらに、細菌感染症における宿主側の要因についても検討を加えた。P.gingivalisのgingipain完全欠失株を野生型マウスに接種すると膿瘍が殆ど形成されなかったが、本株を2型糖尿病発症マウスに接種すると大きな膿瘍が形成された。この結果から、糖尿病のように宿主の防御能が低下していると、gingipain欠失株のような弱毒菌でも病原性を発揮することが明らかになった。今後は、2型糖尿病発症マウスにおける混合感染の影響を調べていく予定である。 また、歯周病原性細菌は口臭や歯内歯周病変の原因にもなる。われわれは、細菌感染が原因で口臭や歯内歯周病変が引き起こされた症例などについても報告を行った。
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