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2004 年度 実績報告書

骨吸収から骨形成転換のためのカップリング・ファクター解明に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16592072
研究機関長崎大学

研究代表者

原 宜興  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60159100)

研究分担者 安部 達也  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (80271112)
吉村 篤利  長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70253680)
鵜飼 孝  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20295091)
キーワードRANKL / OPG / Tリンパ球 / 好中球 / LPS / 骨吸収
研究概要

炎症性骨吸収は炎症性細胞浸潤と破骨細胞による骨吸収を特徴とする。RANKLはRANKと結合し、破骨細胞の分化、活性化、生存に促進的に関与する。またOPGはRANKLとRANKの結合を拮抗阻害し破骨細胞形成に抑制的に作用する。LPSをマウス歯肉へ頻回投与すると炎症性骨吸収が誘導されるが、RANKLおよびOPG陽性細胞がどのように変化するのか、またどの細胞が破骨細胞形成の調節に関与しているのかは明確ではない。そこでLPS誘導型骨吸収が増加または減少する際の骨吸収部位におけるRANKLおよびOPG発現の変化を免疫組織学的に検討した。
LPSを一日おきにマウスの下顎臼歯部歯肉に8回投与後、48時間後に屠殺した群をBase line群とし、9回目にLPSまたはPBSを投与し24時間後に屠殺した群をそれぞれLPS群とPBS群とした。各群の連続切片を作製し、H.E.、TRAP染色、さらにRANKLとOPGの免疫染色を行った。またT細胞におけるRANKLの発現、PMNにおけるOPGの発現と骨吸収の程度を測定した。骨吸収の割合はBase line群と比べてLPS群は増加し、PBS群はBase line群、LPS群よりも低い値を示した。RANKL陽性細胞は、炎症性細胞においてLPS群がBase line群、PBS群よりも高い値を示した。OPG陽性細胞数は、炎症性細胞においてPBS群がBase line群、LPS群に比べて高い値を示した。非炎症性細胞ではLPS群はBase line群、PBS群に比べて有意に高い値を示した。またLPS群ではRANKLを発現しているT細胞を、PBS群ではOPGを発現しているPMNを多く認めた。
今回の実験より、炎症性骨吸収が増加する際にはRANKLを発現する炎症性細胞の増加とOPGを発現する非炎症性細胞の減少が、骨吸収が減少する際にはOPGを発現する炎症性細胞の増加が重要と考えられた。また炎症性骨吸収の促進にはT細胞の発現するRANKLが、骨吸収の抑制時にはOPGを発現する好中球が重要な働きをしていることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] LPS誘導型骨吸収におけるRANKLおよびOPGに関する免疫組織学的研究2005

    • 著者名/発表者名
      吉本 真弓
    • 雑誌名

      日本歯科保存学雑誌 48巻2号(印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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