研究課題
基盤研究(C)
無麻酔無拘束ラットの腹腔内にピロカルピンを投与した。唾液分泌量および飲水量は濃度依存性に増加した。ピロカルピン脳室内投与の場合、唾液分泌量は有意な増加が認められず、飲水量は0.1nmol以上で濃度依存性に増加した。唾液分泌と飲水行動における作用濃度の差と投与方法による差が生じた。そこで、中枢でのピロカルピン作用を遮断するため、ムスカリン受容体アンタゴニストであるアトロピンを脳室内に前投与した。ピロカルピン腹腔内投与における飲水行動は抑制されたが唾液分泌は抑制されなかった。また、ピロカルピン脳室内投与における飲水量はアトロピン前投与により抑制された。また、唾液分泌においてピロカルピン腹腔内投与群と脳室内アトロピン前投与群を比較したところ有意差は認めなかった。以上のことからピロカルピンは中枢神経系に作用して口渇感を誘発し、唾液腺に作用して唾液分泌を促進することが示唆された。さらに、ピロカルピンとは別のムスカリン受容体アゴニストの催唾剤であるセビメリンで同様の実験を行った結果、腹腔内投与により唾液分泌は誘発するものの、飲水行動は発現しないことがわかった。また、比較的高濃度のセビメリンを脳室内に注入すると飲水行動は発現することおよびアトロピンにより効果が減弱されることから、セビメリンはムスカリン受容体を活性化するもののその効果は弱いと考えられた。この結果より、高濃度の催唾剤を使用するときには、唾液分泌ばかりでなく、副作用としての口渇感を考える必要があるが、セビメリンはその点において優れているのではないかどいうことが示唆された。さらにピロカルピンが中枢に作用するか否かをc-fos免疫組織化学を用いて調べ、ピロカルピンが中枢に作用することを明らかにする結果を得た。
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