研究課題/領域番号 |
16592085
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
福田 英輝 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (70294064)
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研究分担者 |
高鳥毛 敏雄 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20206775)
日野 陽一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助手 (00315425)
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キーワード | 保健事業 / 予防歯科 / 歯科保健拠点施設 / 喪失歯数 / 死亡率 |
研究概要 |
基本健康診査にあわせて兵庫県N町が実施した1997年/1998年の歯科健診結果にもとづき、その後の健診受診者の健康状況について調査を行った。受診者における現在の健康状況については、N町住民課の協力を得て、死亡の年月日とあわせて死亡の状況について情報収集した。死亡に関する情報は、N町職員が直接に収集・管理を行い、個人情報の流出がないよう配慮した。なお、本調査については、長崎大学歯学部倫理委員会の承諾は得られている。 1997年/1998年の歯科健診を受診したものは630名であった。平成18年12月現在においてN町から転居しており、現在の健康状況が把握できなかった24名を除く606名について分析を行った。また、受診者の年間の平均喪失歯数を計算するため、初回時の歯科健診結果と照合した。 観察期間における年間の平均喪失歯数については、観察期間においてN町立歯科保健センターにおいて予防を目的とした受診を行った者において有意に小さかった。1997年/1998年の歯科健診時における現存歯数区分による死亡者の割合は、60-69歳、および70歳以上の年齢区分において、「0-9本」で最も大きく、「20本以上」で最も小さかった。また、観察期間における年間の平均喪失歯数区分による死亡者の割合は、60-69歳、および70歳以上の年齢区分において、「0.5本/年以上」で最も大きく、「0本(喪失なし)」で最も小さかった。 地域の歯科保健拠点施設が行う予防を目的とした保健事業を受診することにより、年間の平均喪失歯数が小さく、高齢者における歯の保持につながる可能性が示された。また、歯を保持することは、その後の死亡の状況に影響を与えることが示唆された。
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