研究課題
基盤研究(C)
幼児健診に同伴予定の母親を対象に、50項目からなる二者択一式質問紙「口腔保健7要因」調査を実施し、以下の点が明らかとなった。1.プリシードプロシードモデルにおける口腔保健7要因の尺度の信頼性「プリシードプロシードモデル」における口腔保健7要因のテスト-再テスト信頼性係数を検討した結果、同7要因尺度は、再現性の高い尺度であることが示された。一方、口腔保健7要因の内的整合性信頼性係数αからは、「整容行動」、「口の健康」、「歯科保健行動」、「実現因子」は、ほぼ同一内容を示す質問群から成り立っているが、「口腔QOL」、「強化因子」、「準備因子」、「環境」は、幅広い概念である可能性が示唆された。2.口腔保健7要因間の因果関係をもとにした地域レベルでの環境・行動評価の試み得られた口腔保健7要因間の因果関係をプリシードプロシードモデルに当てはめた歯科保健モデルと地域における現状とのギャップを検証した。プロシード部分について要因間の因果分析を行い、同モデルで有意性が確認できなかった2つのパス(「準備因子」→「口の健康」、「実現因子」→「口の健康」)で有意性が認められた。また、「環境」→「強化因子」へのパスの存在を確認した。「生活の質(QOL)」は「歯科保健行動」ならびに「準備要因」を強化することによって向上することが明らかになった。3.修正モデルを利用した地域間比較と地域保健の問題点把握修正モデル(要因間の因果関係図)を使って、地域住民の口腔保健と地域保健活動をそれらの因果関係も含め視覚的に検討した。修正モデルの因果関係をもとに2地域間の口腔保健7要因の差を分析した結果から、口腔保健7要因間の因果関係を重視した今回の地域診断によって、視覚的にも地域保健の問題点が把握されやすくなった。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (4件)
口腔衛生学会雑誌 55
ページ: 95-99
J Dent Hlth 55
広島大学歯学雑誌 36
ページ: 187-191
J Hiroshima Dent Soc 36