研究課題/領域番号 |
16592092
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
福原 正代 九州歯科大学, 歯学部, 特別研究員 (90360057)
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研究分担者 |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (80244789)
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
秋房 住郎 九州歯科大学, 歯学部, 特別研究員 (40295861)
園木 一男 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (50316155)
竹原 直道 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00038879)
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キーワード | 高齢者 / 動脈硬化 / 認知症(痴呆) / 疫学調査 / 糖尿病 / HbA_<1C> / c-reactive protein / 炎症反応 |
研究概要 |
【目的】C-反応性蛋白(CRP)は、炎症の際に上昇するが、動脈硬化と関連するとして最近注目されている。本研究では、超高齢者においてCRPと血糖コントロールの指標であるHbA_<IC>との関係を検討した。【方法】対象は、福岡県下9市町村で実施した口腔状態および全身状態の健診を受診し、血液検査を受けた85歳の一般住民204名である(男性86名、女性116名)。身長、体重、血圧の測定とともに高感度CRPとHbA_<1C>を含む血液検査を施行した。【成績】感染および炎症性疾患を除外するためCRP>10mg/Lの9名を除く195名(男性83名、女性112名)を分析対象とした。CRPとHbA_<1C>,の平均値は、それぞれ0.99±0。11mg/L、55±0.0%(平均士標準誤差)であり、性差はなかった。低CRP群(CRP<1mg/L、n=133)、中CRP群(1≦CRP≦3mg/L、n=48)、高CRP群(3<CRP≦10mg/L、n=14)の3群に分類した。3群間で、性、bodymass index (BMI)、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、総コレステロールに有意差はなかった。性、BMI、 SBP、血清中性脂肪、喫煙、飲酒を補正後のHbA_<lC>の平均は、低CRP群で5.5±0.1%(平均±標準誤差)、中CRP群で5.5±0.1%、高CRP群で6.1±0.2%であり、高CRP群で有意に上昇していた。一方、各因子を補正後の収縮期血圧は、低CRP群147±2mmHg、中CRP群139±3mmg、高CRP群141±6mmHgであり3群間に有意差はなかった。HbA_<1C>とCRPとの間に有意な正の相関があり(r=0.289、p<0.001)、重回帰分析においても、HbA_<1C>がCRPの独立した説明変数となった(p<0.001)。【結論】85歳の一般住民において、HbA_<1C>は、炎症反応の指標としての高感度CRPと有意に相関していた。一方、血圧と高感度CRPとの間には有意な相関はなかった。超高齢者における動脈硬化の進展に、血糖コントロール状態が炎症反応を介して密接に関係している可能性が考えられた。
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