研究概要 |
S.mutans用選択培地改良型(MS-MUTV)の検討 (1)MS-MUTVのS.mutans標準株と新鮮分離株における回収率は血清型c,eおよびf株においてそれぞれ73.9〜80.7、60.8〜71.1、および58.9〜77.1%の範囲であった。一方、供試したS.sobrinusはほぼ完全に排除された。主要口腔レンサ球菌であるS.sanguinis, S.oralis, S.gordonii, S.mitis, S.salivarius,およびS.anginosus groupであるS.anginosus, S.intermediusそしてS.constellatusも当該培地には(1x10^8 CFU以上の塗抹においても)増殖しなかった。 (2)ヒト唾液サンプルからのMS-MUTVにおける主要口腔レンサ球菌の排除は非常に良好であり、S.mutans以外の口腔レンサ球菌の増殖例は10.3%に過ぎなかった。それも総レンサ球菌およそ1x10^7 CFU/mlの増殖菌量においてわずか平均5x10^2 CFU/mlの増殖を認めるに過ぎなかった。当然ながらS.mutansの検出率は改良前のMS-MUTに比較しても遜色なく同様の結果が得られた。 (3)MS-MUTVに増殖したS.mutans様集落は生物化学的同定によりいずれもS.mutansと同定された。S.sobrinus用選択培地であるMS-SOBとの併用による血清型分布はc型のみが53.9%、cとd型を有していたものが23.1%、c,d,gを有していたものが3.8%、eとg型を有していた者が15.4%、e型のみが3.8%であった。S.sobrinusが単独で検出される者はいなかった。
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