研究課題/領域番号 |
16592114
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
徳永 恵子 宮城大学, 看護学部, 教授 (80295378)
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研究分担者 |
吉田 俊子 宮城大学, 看護学部, 助教授 (60325933)
工藤 啓 宮城大学, 看護学部, 教授 (00214966)
只浦 寛子 宮城大学, 看護学部, 助手 (40363733)
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キーワード | キネステティク / 動作解析 / 体位変換 / コミュニケーション |
研究概要 |
人の動きの関連性、つまり人の「自然な動き」に着目した体位変換法(キネステティク)は、動きはコミュニケーションであるという概念に基づいて人の自然な動きを再現することにより、その患者の残存能力や動き方の特徴をアセスメントし患者の自然な動きを体位変換に応用する方法である。本研究はこの概念に基づいた体位変換法の有用性について基礎的研究を行い、より科学的根拠に基づいて臨床応用へつなげていくことを目的とする。今年度は3次元動作解析装置を用いて、実際の各種の体位変換時の負荷量の測定に着手した。従来のボディメカニクスにおける立位や移動動作、体位変換の基本動作とキネステティクによる手法において被介助者、介助者の双方におけるデータの収集を実施し、角度、重心等の相違から負荷量の評価について分析を開始している。また研究分担者の只浦寛子は、キネステティクに関する会議「1.Ulmer Fachtanung : Bewegung ist Leben」(ウルム大学病院,ドイツ)に参加し、さらに、ウルム大学病院においてキネステティク概念を応用した看護援助技術について調査し、本研究の体位変換技術効果の評価項目や評価方法に関して具体的に示唆を得た。医療者は人間の本来持っている構造と機能を維持・促進する支援が求められており、キネステティクは、急性期看護から慢性期看護、精神疾患患者から高齢者、障害者、ICU病棟患者に至るまでの幅広い看護領域に応用され、対象の生活の質の向上や、セルフケア能力の向上、および自己効力感の効果、循環動態の安定および呼吸機能の向上、また経済効果および医療職者の健康増進をもたらすことについて示唆を得た。次年度はこれらの結果をふまえ、キネステティクにおける身体可動性を定量化して評価し、上記の効果との関連について明らかにしていく予定である。
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