研究課題/領域番号 |
16592114
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
徳永 惠子 宮城大学, 看護学部, 教授 (80295378)
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研究分担者 |
吉田 俊子 宮城大学, 看護学部, 教授 (60325933)
工藤 啓 宮城大学, 看護学部, 教授 (00214966)
只浦 寛子 宮城大学, 看護学部, 講師 (40363733)
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キーワード | キネステティク / 動作解析 / 体位変換 / コミュニケーション |
研究概要 |
今年度は、動作解析によってキネステティク概念を応用した基本動作に位置づけられるスパイラル動作とパラレル動作の相違について明らかにした。その結果、1)パラレルとスパイラルの立ち上がり動作の相違の点では、マスをパラレルに積み重ねた動作では、マスをスパイラルに積み重ねた動作よりも起き上がりに"力"と立ち上がりまでの"時間"を要した。それぞれのスティックピクチャを線形表示した動作軌跡を分析したところ、パラレル動作よりもスパイラル動作の軌跡は長くまた複雑で、より多くの空間に軌跡が辿られた。また、各要素の関連を検討すると、パラレルな動作は、動作軌跡ごとの速度・加速度が速く、大きな動作段階ごとに、一気に立ち上がることがわかった。一方、スパイラルは動作は、各軌跡ごとの速度が緩やかで、滑らかに広い空間を少しずつ上昇し、立ち上がり動作を見せるのが特徴だった。2)身体の重さの感覚の変化と要因としては、パラレル動作において、身体の重さは体の中心を通り、上から下に下がる感覚が生じるのが特徴だった。立ち上がり動作の過程で身体を支える基底面が狭まるほど、その身体の重みを支える足底部位に重さの感覚が移ることがわかった。一方、スパイラル動作においては、身体の重さの感覚は体の中心のみならず、体の重みを移した身体各部に分散する感覚が生じることがわかった。体の重みは骨(支える面)によって支持されるために、身体の重みや動作負担を感じることなく、立ち上がり動作ができることがわかった。 キネステティク概念を応用した体位変換は、「押しと引き」「支える動作と運ぶ動作」によってこのパラレル動作とスパイラル動作をいく通りにも応用しており、介助する側と介助される側、両者が身体の重さを感じることなく、安楽に動くことができることが明らかになった。(755字)
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