在宅における感染管理に関する教育プログラムを開発するための第一段階として、訪問看護従事者を対象に感染管理に関する知識・技術に関する認識を調査した。 調査は、全国の訪問看護ステーション・医療機関訪問看護部(室)に勤務する看護師各200名を対象に平成16年11月〜12月に研究者らが作成した自己記入法による質問紙を用いて郵送法にて実施した。調査内容は、(1)対象の属性(a職種、b勤務形態、c訪問看護経験年数、d年代、e最終学歴)、(2)必要および不足を感じている感染管理に関する知識・技術(a基礎的知識、b基礎的技術、cケア技術における感染管理、d感染症別感染管理、e連携・調整、fその他で計32項目)、(3)現状における感染管理に関する教育の機会と学習のための媒体、(4)希望する感染管理に関する教育の機会と学習のための媒体である。なお、倫理的配慮として研究の趣旨、任意の回答であること、データは統計的に処理して個人が特定できないことを説明した文書を同封し、無記名にて返信用封筒を用いて回収した。 193名から有効回答が得られ、対象の職種は看護師94.3%、勤務形態は常勤93.8%、訪問看護経験年数は平均5.05±4.69年、年代は40代と30代が多く、最終学歴は看護系専門学校卒業94.3%であった。感染管理に関する知識・技術に関する認識では、感染管理に関する基本的な知識・技術について必要性を高く感じている傾向にあった。また、不足を感じている知識・技術は感染管理に関する基本的な知識、特殊なケア技術、在宅独自の連携・指導であった。 以上のような結果から必要および不足を感じている知識・技術の内容には相異はあるものの訪問看護従事者に対する感染管理に関する教育の必要性が示唆された。
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