研究課題/領域番号 |
16592124
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研究機関 | 愛知県立看護大学 |
研究代表者 |
平井 さよ子 愛知県立看護大学, 看護学部, 教授 (70290046)
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研究分担者 |
賀沢 弥貴 愛知県立看護大学, 看護学部, 助手 (10363954)
上田 智子 岡崎女子短期大学, 人間福祉学科, 講師 (90390046)
鈴木 英子 天使大学, 看護栄養学部, 助教授 (20299879)
佐藤 千史 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (60154069)
飯島 佐知子 愛知県立看護大学, 看護学部, 助教授 (80389890)
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キーワード | 看護職 / 専門職的自律性 / 継続 / 免許制度 / キャリア向上 |
研究概要 |
本研究は、日中両国の看護専門職にとって重要な役割を持つ看護継続教育制度の違いを概観する中で、両国の看護職の継続教育への取り組みや専門職的自律性の実態およびそれらに影響する要因を明らかにし、看護職者が専門職として成り立つために、整備すべき要件を示唆するものである。 平成17年度は平成16年度に専門職的自律性尺度であるNAS(The Nursing Activity Scale中国語版と日本語版)の信頼性・妥当性を検証した。この尺度を使用して、「看護職の専門職的自律性と看護継続教育の取り組み、それに関わる要因」の本調査を中国と日本で行った。本年度はその結果の基礎データを報告する。 1.中国の対象者の属性:A省の病院680名中、回収数629名で回収率92.5%、有効回収率100.0%であった。平均年齢は、34.62歳(SD8.54)で、最年少は18歳、最年長は57歳であった。女性が大部分を占め、独身90名(18.6%)、既婚389名(80.2%)であった。最終学歴では、78名(16.1%)が看護専門学校、226名(46.6%)が看護短期大学、看護大学174名(35.9%)を卒業している者であった。免許形態は圧倒的に護士免許が多く、466名(96.1%)を占めていた。技術職掌では、護師182名(37.5%)、主管護師151名(31.1%)で、両者合わせると半数以上の割合であった。卒後経験年数での平均経験年数は14.6年(SD8.61)で、最小経験年数は2ヵ月、最大経験年数は44年であった。 2.日本の対象者の属性:一般病院4施設940名中、回収数854名で回収率90.8%、有効回答数802名で有効回答率85.3%であった。平均年齢は32.8歳(SD9.28)で、最年少は21歳、最年長は61歳であった。最も多い年齢層は20歳代であった。女性が大部分を占め、独身416名(51.9%)、既婚378名(47.1%)であり、最終学歴は684名(85.3%)が看護専門学校、看護短期大学79名(9.9%)、看護大学30名(3.7%)を卒業している者であった。免許形態は圧倒的に看護師免許が多く、92.9%を占めていた。現在の職位ではスタッフが70.3名(87.7%)と圧倒的に多かった。卒後経験年数での平均経験年数は10.3年(SD8.4)で、最小経験年数は4ヵ月、最大経験年数は41年であった。 3.NAS(Nursing Activity Scale)、HNS(Head Nurse Scale)、FTD(Physician Task Delegation)、職務満足度のそれぞれの平均得点は、中国では、NAS188.8(SD17.12)、HNS16.3(SD2.1)、FTD2.7(SD0.7)、職務満足度59.3(SD26.4)であった。日本では、NAS153.3(SD20.64)、HNS14.1(SD2.84)、FTD3.3(SD0.65)、職務満足度43.0(SD20.95)であった。 以上の結果から中国と日本を概観したとき、最終学歴では日本の方が専門学校卒が多く、NASと職務満足度は中国の方が高い傾向を知ることができた。 本調査における詳細な分析結果は、平成18年度に報告する。
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