研究課題/領域番号 |
16592126
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
平河 勝美 神戸市看護大学, 看護学部, 助教授 (10254476)
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研究分担者 |
林 千冬 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60272267)
中根 薫 神戸市看護大学, 看護学部, 助手 (10305708)
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キーワード | 准看護師 / 看護師2年課程(通信制) / 学習経験 / 教育課題 |
研究概要 |
平成16年度は、看護師2年課程通信制を設置したT校を事例的に取り上げ、県の行った支援活動、近隣地域における学校養成所の配置状況、当該校における1年間の教育経験などを調査、分析した。 Y県の支援に関しては、T校が看護教育実績を持たない私立大学であったことによる教員確保、実習施設確保、国や近隣県との連携が課題であったこととその活動実態を明らかにした。とりわけ実習施設確保については、在学者の勤務先が中小規模病院で実習指定を受けていない場合が多いためにT校が実習施設を開拓する必要が生じている一方で、T校のあるY県S市には大規模病院が1施設しかなく、近隣での確保が困難な状況であることが見えてきた。そこから、空間や距離を課題としない遠隔教育を行うにもかかわらず、一定圏内での看護学校養成所の配置状況が教育課題になることを確認した。S市は人口、病院数、病床数において県内1位であり、看護師就業者数約1.9千人、准看護師就業者数約1.7千人と准看護師の比率が高い。また、看護師3年課程を置く学校養成所がない一方で准看護師課程の1学年定員は145人と県内1位である。これらの事実を踏まえ、地域特性が教育課題を左右するという観点から、S市における2年課程通信制への需要の変動、ならびに実習施設確保をはじめとする教育条件整備状況の変化を今後も追跡する必要を確認した。 T校の教育経験としては、従来の遠隔教育の実績を活かして1期生のパソコン操作技術を多大に支援していること、学生は概ね順調に単位を取得していること、実習が本格化する2年目の学習状況を見守る必要があることなどを明らかにした。進学したことを勤務先に知らせていなかったり、勤務との両立が困難になるなど、個人の学習状況が多様であるのに対して、どこまで対応し支援するかが教育側の課題になることも明らかにした。
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