研究概要 |
子どもの急病時の判断に必要な視点を明らかにする目的で、保育園児の保護者に、子どもの病気の緊急性や受診の判断が難しく困った経験の有無を調査した。対象はY市内にある14の認可保育園に在籍する小児の保護者1,373名。質問紙の主な内容は、回答者の性別、年齢、子どもの数、回答者と子どもとの関係、仕事の有無、同居家族、「医療関係資格の有無、小児救急医療電話相談事業の認知度・利用経験などの基本的属性に加え、「「子どもの病気の判断を誤った」あるいは「判断が難しい症状だった」という経験があるかどうか」、その経験時の「子どもの年齢」、「何番目の子か」、「受診した医療機関」、「診断された病名」、「子どもの異常に気づいてから受診までの保護者の気持ちや判断」「受診後の経過」「経験を通じた学び」をたずねた。また、経験の有無に関わらず全回答者に「急病時の対応や判断について思うこと、感じること」を自由回答でたずねた。 回収数は681枚で有効回収率48.5%(有効回収数666枚)であった。回答者の性別は、男性3.6%(24人)、女性96.4%(641人)、平均年齢は33.7±5.15歳であった。 「子どもの病気の判断を誤った」あるいは「判断が難しい症状だった」という経験を有している人は、26.2%(166人)で、その時の子どもの年齢は平均26.7±20.89ヶ月、第1子での体験が最も多く55.4%(92人)、次いで第2子27.1%(45人)、第3子10.8%(18人)であった。その時診断された病名で多かったのは「肺炎」13.3%(22人)、「ぜんそく」10.8%(18人)、「熱性けいれん」6.6%(11人)、嘔吐下痢症5.4%(9人)であった。経験者の自由回答部分は現在分析中である。また、全回答者対象の自由回答部分も現在分析中であるが、全体の67.4%(449名)より回答を得ており、関心の高さがうかがえた。
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