研究課題/領域番号 |
16592128
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
永嶋 由理子 福岡県立大学, 看護学部, 助教授 (10259674)
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研究分担者 |
山川 裕子 佐賀大学, 医学部, 講師 (00259673)
安永 悟 久留米大学, 文学部, 教授 (60182341)
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キーワード | 看護技術 / 血圧測定 / 思考 / 熟達化 / 看護学生 |
研究概要 |
看護技術の熟達化のプロセスに於いて、思考がどのように深化していくかを明らかにすることを目的とし研究に取り組んだ。本研究で検討する看護技術として血圧測定を採用した。本研究では、血圧に関する研究報告知見に依拠しながらも、これまで検討することがなかった看護技術の熟達化に関わる思考の変化に重点をおいているところが特色となっている。今年度は、予備調査として血圧測定技術のBase Lineを明らかにするために、血圧測定の技術が熟達化されていると思われる臨床の看護師150名を対象にアンケートを実施した。その結果、1回に要す測定時間や重要と考える技術項目について明らかとなった。また、血圧測定技術と思考には中程度の相関があることも明らかとなった。この結果を踏まえ実験計画を作成した。実験ではまず血圧測定の技術項目を従来の基本手順と調査結果を踏まえて34項目作成した。実験前の技術レベルを把握するために、研究対象とするF大学の看護学生に対し技術テストを実施した。実験に入る前に改めて研究に協力・同意する学生を募った。同意した34名の学生を実験群・統制群に分け、実験を行った。実験時期は2004年8月〜11月までとし、学生のスケジュールに合わせ実験時間を調整した。実験内容としては、実験群(12名)と統制群(12名)に分かれ、2人1組のペアを作り血圧測定を連続4日間(1日20回実施/1人)実施させた。実験群は1回測定毎に結果の振り返りを記録させ、統制群は記録をさせなかった。実験群・統制群ともに1回毎の測定時間/初日と最終日に質問紙調査/ビデオ撮影を実施した。また3日目には両群に事例を提供した。その結果、血圧測定の熟達化については、両群合わせた約5割の学生が2日目に技術上達の自覚が起こったことがわかった。来年度は他大学でも同様の実験を実施するとともに、調査結果及び記録やビデオ分析から思考の抽出作業をする予定である。
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