研究課題/領域番号 |
16592130
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
篠澤 俔子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (20348022)
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研究分担者 |
春山 早苗 自治医科大学, 看護学部, 助教授 (00269325)
岸 恵美子 自治医科大学, 看護学部, 講師 (80310217)
鈴木 久美子 自治医科大学, 看護学部, 助手 (80341783)
舟迫 香 自治医科大学, 看護学部, 助手 (60406171)
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キーワード | へき地 / へき地支援病院 / 地域看護管理 / 離島保健師 / 診療所看護職 / へき地診療所 / 看護活動体制 / 就業促進 |
研究概要 |
本研究では、1.へき地診療所看護職の確保・定着の実態から支援について示唆を得る。2.へき地診療所を支援する中核病院看護管理者の診療所看護職や保健所・市町村看護職との連携・協働について事例から明らかにする。3.(1)離島住民のニーズ調査による離島住民のヘルスニーズ(2)離島町村保健師から保健師確保・定着の実態(3)保健師の確保・定着についての示唆を得る。4.(1)へき地で働く看護職に対し、看護活動体制の確立及び診療所看護職の役割拡大についての研修を通して考えさせる。(2)へき地に携わる看護職の研修・デスカッションを通して、看護職間の連携や多職種との連携、その必要性を明らかにする。 1では、東京都の離島3島に勤務する診療所看護職の確保、定着に関わる支援として、島や自然に愛着、島の生活、文化、環境の理解、島の濃密な人間関係、リフレッシュ法、研修、連携・相談などのサポート体制が示唆された。 2では、沖縄県八重山病院、長崎県対馬病院看護管理者から診療所看護職との連携、支援の実態を聴取した。看護業務手順の作成、診療所への看護師派遣、研修、派遣看護師に対する相談など実施していたが、へき地支援病院の職員にも関わらず、長期間派遣されているため知らない病院もあり、病院などによる違いが見られた。 3では、(1)住民ニーズとして、人間関係の近接さによる精神的ストレス、自立して生活する自立心の高さ、健診受診など早めに行動する予防意識の高さ、物資輸送による食材の偏りなどであった。(2)H9〜16年東京都島しょ保健所に勤務した保健師に離島町村保健師の確保・定着に関する調査の実施。回収率90%。「息抜きできる場所」「住民のプライバシーを守り相談できる場所」「援助内容の評価」「職場内の人間関係の配慮」などは30%に満たない整備状況である。離島保健師の活動に対する配慮や支援の必要性が示唆された。(3)東京都島しょ町村に勤務する保健師確保・定着に関する調査では、就職動機は小規模離島町村における活動を望み、就職後は、ニーズに基づき企画から実践まで実施できることや住民から頼られていることにやりがいを感じていた。86%が、就職してよかったと回答している。 4では、(1)第2回目のへき地看護職に対する全国的な研修会に11名が参加した。へき地における危機管理体制づくりと保健所保健師の機能、三宅島離島診療所における災害看護活動などの講義や看護職の役割などグループワークを行った。へき地災害に備えた活動体制づくりにおける看護職の役割と課題が出された。(2)栃木県内外診療所の活動報告を基にへき地看護職のデスカッションを通して地域で研修する必要性と研修企画のあり方など話し合われた。これらの研修を受講した日光市民病院看護職が、日光市民病院を中心に「災害に負けない病院・地域づくり」と題して、他職種、診療所、看護協会地区支部会、他病院看護職、訪問看護ステーション、保健所職員などが参加できる研修企画をした。講演、関係者による意見交換は好評であった。
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