研究課題
基盤研究(C)
最終年度である19年度では医療的ケアが必要な子どもの家族支援のネットワークの構築し、行った支援の有効性を評価した。「在宅生活支援フロー図」では、病院と地域のコーディネーとそれぞれの支援者の役割が明確になった。そして、連携した支援ができるようになってきた。「家族用の在宅生活支援ファイル」は、コーディネーターが中心となって「在宅生活支援フロー図」にそって作成し、平成19年度には19家族に作成した。その結果、支援者は「連携しやすくなった」「子どもや家族の様子がわかり介入しやすくなった」、家族は「相談窓口が明確になり相談しやすくなった」「新しい情報がわかるようになった」「ファイルをみせれば子どもの様子がわかってもらえた」の意見があった。事例検討会では、医療、保健、福祉、教育の支援者と家族が参加し、子どもの状態と家族のニーズを踏まえて、検討をした。その結果、支援者は「情報の共有ができた」「他の支援者に相談しやすくなった」「子どもと家族のニーズがわかり、役割が明確になった」、家族は「たくさんの人に支援してもらっていることがわかった」「思いを聞いてもらった」の意見があった。家族交流会は、他の家族との交流ができたことからピアカンセリング効果があることや、親がきょうだいと十分にきょうだいへの関わりができることから、子どもと家族の楽しみの場となっていた。家族交流会で、家族が医療的ケアの必要な子どもから安心して側を離れることができたのは、看護師の存在が大きかった。家族は家族交流会をきっかけにセルフヘルプグループを立ち上げ、月1回開催している。
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島根大学医学部紀要 29
ページ: 31 40
Shimane University Faculty of Medicine KIYO Vol. 29
ページ: 31-40