本研究は入院と治療に伴う思春期患児の睡眠状況の調査を行い、睡眠に関する問題、睡眠の特性、睡眠に影響を与えている要因を検討することである。 1.学童・思春期児の入院と治療に関連する睡眠の質の変化と問題に関するに文献検討の結果、疾患に関連する睡眠障害以外で睡眠を直接に扱った研究は極めて少なく、入院中のQOL、痛み等との関連で触れられて研究がほとんどであった。 2.文献検討からの睡眠の質の変化の問題としては、(1)夜間の睡眠不足、(2)睡眠パターンの変化、(3)夜間の覚醒の増加、(4)睡眠時姿位の変化、(5)昼間の睡眠の増加、(6)入眠までの時間の増加、(7)覚醒時の熟眠感の減少、(8)睡眠の満足感の低下があげられていた。睡眠に影響している要因としては、痛みや呼吸困難など病気や治療に伴う症状、治療に伴う活動制限、心配や不安、入院生活環境と変化などがあげられていた。 3.学童・思春期児の睡眠習慣や睡眠パターンとその関連要因、睡眠の健康への影響、研究方法(既存の質問紙の検討、質問項目の設定)に関する検討を行った。 4.慢性疾患を持つ入院中の中学生3名、学童・中学生の看護経験を持つ看護師3名に睡眠ついて面接調査を実施した。特に、文献で確認できなかった、入院経過と入院環境との関連についてデータをえた。 5.上記1〜4をもとに、入院中の学童・中学生を対象とする調査用紙を作成し、プレテストを行い、質問紙の修正を行った。 6.アクティグラフ使用のための準備(使用方法、手順、留意事項)に関する検討を行った。
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