本年度は、対象者への質問項目の検討、新規調査フィールドの選定、フィールドへの調査協力を依頼し、合意を得る作業を行った。 対象者への質問項目については、これまでの研究結果(基盤研究C:課題番号13672521)と先行研究による看護の質に影響を及ぼす看護ケアの内容分析によって得られた項目を基盤として、対象者への質問項目について、看護実践者を交えて検討した。救急医療の現場において、救急看護師が提供する看護ケアは、(1)蘇生、(2)静かに見守る、(3)変化を予測しながら身体機能の保護と悪化防止、(4)安全を保証しながら現状認知を繰り返し促す、(5)直ぐ側で、常に注意を向ける、(6)今後の成り行き説明、(7)確実な情報の集約と公開、(8)効果、および効率促進のための環境調整等、8つの中心的事柄が挙げられる。これらを構成するサブカテゴリーには、看護の質に影響を与えると考えられるケア内容である人間尊重や信頼関係の重視、苦痛の緩和、看護師の姿勢、家族へのケア、モニタリング機能等の要素が含まれていた。対象者(二次救急患者、およびその家族)は、これらに関連する、あるいは意味づけられた看護ケアをどのように受け止め捉えているのか。また、救急医療場においてケアを受ける対象者は、何を希望し、期待しているのか等について、平成17年度に質問(聞き取り)を行う。 新規調査フィールドの選定においては、救急部門を有し、二次救急患者を受け入れている施設への調査研究への協力依頼を行っている。今後、調査研究の承諾を得たのち、17年度実施予定について具体的な調査期間の打ち合わせを行う予定である。
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