本年度は、昨年度の検討された質問項目に沿って、聞き取り調査を実施した。 調査開始前に、学内倫理審査委員会の承認を得る手続きを行い、その後施設管理者、および病棟管理者への説明を行い、研究協力の許可を得た。また病棟管理者より、現場スタッフへの周知が図られ、最終的には、研究者から(2)現場スタッフへの説明を行い、協力を得ることに同意を得た。 対象者は、二次、および三次救急患者とその家族であり、全身状態の安定が図られたことを病棟管理者に確認し、管理者より患者への研究調査承諾に関する内諾を得た後、研究者より再度説明し、調査研究に対する承諾書に署名を得た。聞き取り内容の中心は、救急部門を受診したときの医療職者とのかかわり、それに対する認識である。救急患者の特徴より、当時の記憶が全くない、あるいは記憶が途切れている、当時を思い出したくない等の理由より、十分な情報が得られることが困難な状況であった。現在、心血管系疾患を中心とする患者とその家族からのデータを得ることができ、一部分析を進めている。患者とその家族は、自らの身体状況を思い起こしながら、状況を再構成して語っていることが特徴であり、その状況に対して、看護者を中心とする医療職者がどのような関わりを実施し、それに対する受け止めが中心的な事柄である。次年度においても、データ収集を継続しながら、最終的な分析とまとめを進めていく予定である。
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