研究課題/領域番号 |
16592161
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
町浦 美智子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70135739)
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研究分担者 |
末原 紀美代 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (90112044)
大平 光子 大阪府立大学, 看護学部, 助教授 (90249607)
井端 美奈子 大阪府立大学, 看護学部, 助教授 (80331742)
古山 美穂 大阪府立大学, 看護学部, 助手 (40290366)
工藤 里香 大阪府立大学, 看護学部, 助手 (80364032)
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キーワード | 高校生 / セクシュアリティ教育 / 自己決定 / 評価研究 / 計画的行動理論 / 自己肯定感 |
研究概要 |
本研究の目的は高校生を対象に性の自己決定を育むセクシュアリティ教育を行い、その後の性行動において自己決定がどのようになされたかを縦断的に評価して行くことである。平成17年度は高等学校においてセクシュアリティ教育を実施し、その直後、1ヵ月後、3ヵ月後に質問紙による調査を実施した。また、11月には同じ対象にドメスティック・バイオレンスの観点から講演を行った。 1.セクシュアリティ教育の実践はA高等学校の1年生248名を対象に平成17年6月半ばから7月初めにかけて、クラスごとに実施した。1回目〜3回目は高等学校で企画した内容とし、4回目に性に関する自己決定ができるためのネゴシエーションを含むロールプレイと意見交換するグループワークを取り入れた。高校生はロールプレイを見ることで、自分の問題として考えることができ、また個々の意見や考えを知ることができてよかったという評価をしていた。 2.質問紙調査の内容は計画的行動理論を参考にして、性行動の実際、自己決定に関する意思の程度や性に関する規範的態度についてセクシュアリティ教育の実施直後、1ヵ月後、3ヵ月後の計3回調査した。また、自己肯定感との関連を検討するために、樋口ら(2002,2003)の自己肯定感尺度を3ヶ月後に使用した。 回収率はセクシュアリティ教育に不参加の学生もいたため、それぞれ85.1%、71.8%、64.5%であった。その結果、男女とも3ヵ月後における性行動の活発化はみられなかったが、性行動に関する規範的態度は受講直後よりも3ヵ月後において高校生のセックスを容認する傾向にあった。自己決定はできるという割合が減少傾向にあった。また、自己肯定感の下位尺度の自信については男子より女子の得点が有意に高かった。自己肯定感と性行動、自己決定の程度、規範的態度との関連はみられなかった。 以上の結果から、セクシュアリティ教育は機会あるごとに頻繁に実施し、意識を喚起し、行動に結びつけていくことの重要性が示唆された。
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