研究課題/領域番号 |
16592165
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研究機関 | 大阪府立看護大学 |
研究代表者 |
坂本 雅代 大阪府立大学, 看護学部, 助教授 (80290360)
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研究分担者 |
野矢 美佐子 大阪府立看護大学, 医療技術短期大学部, 講師 (90264829)
前川 泰子 大阪府立大学, 看護学部, 助手 (60353033)
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キーワード | 脊髄損傷者 / 褥瘡 / 褥瘡再発 / 褥瘡への意識 / 褥瘡予防の対処 / 日常生活の影響因子 |
研究概要 |
本研究の目的は、社会生活を営む脊髄損傷者で褥瘡発症を繰り返す人の褥瘡予防に対する対処様相を明かにすることであり、この目的の達成は、褥瘡により社会生活の中断を余儀なくされる脊髄損傷者への、よりよい生活に向けた情報の提供となると共に、脊髄損傷者をサポートする家族や周りの人々にとって介入の手がかりになると考える。研究対象者は、社会生活を営んでいる脊髄損傷者のうち褥瘡を繰り返し発症している人である。研究方法は、半構成的な面接法で、調査内容は、褥瘡に対する意識や褥瘡予防に対する対処、日常生活のあり方などである。 本年度の研究計画は、褥瘡発症を繰り返す脊髄損傷者の日頃行っている褥瘡予防に対する対処内容を質的に明らかにし記述することである。研究の進行状況は、研究協力病院の倫理承認を終え、研究対象者となる方への研究目的などの説明を行い了解を得て聞き取り調査を実施し、現在9名の方から貴重なデータを得ることができた。得られたデータを逐語記録に作成し類似する内容毎にカテゴリーの抽出を進めている。 現在までの調査分析による結果 褥瘡に対する意識は、褥瘡発症時の受け止め方として褥瘡への知識がない、異常を察知できないなど5個のカテゴリーが見られ、褥瘡管理への意識が変化する出来事として、除圧援助や情報提供など6個のカテゴリーが見られた。日頃の褥瘡予防に対する対処は皮膚の観察や除圧姿勢、用具の使用など8個のカテゴリーが見られた。褥瘡再発への生活上の問題としては、身体変化による姿勢保持困難や、仕事中断による除圧行動への気兼ねなど9個のカテゴリーが見られた。褥瘡再発症から受診治療開始までの対処行動には、異常を察知したのち経過を見守り受診をするものや、異常を、察知する→経過を見守る→日常生活を継続する→悪化を自覚する→不快な症状で受診をする等の対処行動があり、このプロセスは3通りみられた。今後も面接を継続すると共に、得られたカテゴリーをもとに、広範な視点からの対処様相を明らかにするため、量的データの収集に向け質問紙の検討を行っている。
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