本研究では、地域で生活している健康障害を持つ学童期・思春期の子ども(以下、子どもと称す)のヘルスプロモーションを支援する看護介入を構築することを目的としている。医療の変化などにより、健康障害をもちながら地域で生活している子どもは増加してきている。在宅で家族と共に過ごすことが可能になったことで子どもの生活体験は豊かなものになってきている。反面、健康障害を抱えながら地域で生活することによって生じる困難に、子どもや家族が取り組むことが多岐にわたっている。本研究により、地域で生活している健康障害をもつ子どものヘルスプロモーションを支援する看護介入、子どもに関わり支援している専門職種のみならず家族を含めた協働のあり方などを提案し、子どもや家族のより豊かな生活を支援することができると考える。 本年度は、子どものヘルスプロモーションを育むために家族がどのように子どもに関わっているのかを明らかにするための質問調査用紙作成を目的に研究を進めてきた。文献検索した結果、家族の健康観(健康に関わる信念、自己効力感、ヘルス・ローカス・オブ・コントロール)、家族のヘルスプロモーション行動(食に関すること、活動に関すること、ストレスマネージメント、人間関係に関すること、健康習慣、予防的行動、危機回避行動)が影響することが明らかになった。それらを測定する尺度として、Walkerらが作成した「Health-promoting lifestyle profile II」、「health conception scale」、「Health Locus of Control」、学童用「自己効力感尺度」(江本が作成)などがあることが明らかになった。本研究のために活用が可能であるのか、質問項目を検討するために、プレテストに取り組んだ。今後、その結果を基に質問紙を作成し、調査を進めていく。
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