1.研究目的 本研究の目的は健康障害をもつ子どものヘルスプロモーションへの看護介入を検討することである。 2.研究方法 喘息群と2型糖尿病・肥満群用の『子どもの保健行動を育む家族の関わり』『子どもの療養行動を育む家族の関わり』『家族の取り組み』の質問紙を作成し、調査を行った。 3.結果 四国内16施設で質問紙を配布し、喘息群84名(回収率48%)、2型糖尿病・肥満群71名から回答が得られた(回収率58%)(以下、肥満群と表す)。(1)『保健行動』を因子分析した結果、両群とも6因子抽出された。『療養行動』を因子分析した結果、両群とも5因子抽出された。(2)『保健行動』の<領域別>【因子別】分析結果:両群とも子どもの社会性を拡大する関わりの獲得得点率が高く、子どもの心の問題への関わりが低かった。(3)『療養行動』の[行動別]分析結果:喘息群は[意欲を高める]関わり、肥満群は[動機づける]関わりの獲得得点率が高かったが、両群とも自己開示を促す関わりは低かった。【因子別】分析結果:喘息群は症状出現・悪化予防への関わりの獲得得点率が高く、肥満群は体重変動へ関心を向ける関わりが高かった。両群とも病気と対峙する取り組みを促す関わりが低かった。(4)『取り組み』の[行動別]分析結果:両群とも[家族としての問題視]の獲得得点率が高く、[相互の認め合い]が低かった。(5)『保健行動』総点と『療養行動』総点、『保健行動』総点と『家族の取り組み』総点、『療養行動』総点と『家族の取り組み』総点において、両群とも関連性ありと判断できた。 4.考察 喘息群は、症状悪化予防のための行動を実践する力を高める関わりをしていたが、完治することを期待しつつ起こるかもしれない症状出現のことを考慮に入れた関わりが課題であった。肥満群は、自覚症状がほとんどない子どもの動機づけへの関わりを行っていたが、生活習慣の行動変容への関わりが課題であった。今後予測される子どもの身体的状態を考慮にいれた保健行動、療養行動を育む家族の関わりを支援する看護ケアの提案が重要となる。
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