研究課題/領域番号 |
16592178
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
新田 真弓 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (00318875)
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研究分担者 |
平澤 美恵子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40211510)
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キーワード | 新人助産師の能力 / 新人助産師の実践の実態 / 管理者が新人助産師に求める能力 / 新人助産師の卒後教育 / 助産師教育の効果 |
研究概要 |
本年度は、臨床にて勤務している新人助産師がどのような能力をもち、実践をしているのかを明らかにすることを目的に、新人助産師への聞き取り調査の実施のための予備調査を行い、その内容を分析した上で、インタビューのガイドラインの作成と聞き取り調査の実施を行った。 新人助産師の聞き取り調査のための予備調査では、2名の新人助産師に対して実践している業務内容を把握するために入職後の分娩介助例数や受け持ちをする対象者数、担当する主な業務などの基礎的データを聴取するとともに、臨床で助産業務をする上での楽しさや困難さ、困難を感じる場面での臨床での支援、対象者からの学び、実践で生かすことのできた助産師教育での学びなどについて語ってもらい、内容を分析した。 新人助産師は、個人差はあるものの入職後半年〜10ヶ月程経過するころに、自分なりに情報収集をし、それを分析・理解して、指導を受けながらも自らの判断で行動することができたり、自分を見守る先輩助産師からも任されることが多くなってきたことで臨床に慣れてきていると感じ取っていた。先輩助産師に相談しながらも自分で判断して実践することが多くなる中で、対象者が正常に経過しているのか、異常を示す徴候があるのかを正確に判断し、対応する能力を不足していると感じ、自ら課題としてあげていた。また、対象者との関わりでは、学生時代には経験しない切迫早産などの妊娠期の異常で長期入院している方へのケアや精神的な問題を抱えている産婦への分娩時のケアなどの経験を通して、困難さを感じながらも対象者の視点に立った看護を行う努力をしていた。そのような場面では、指導的な立場にある先輩助産師が、新人助産師のつらさや対象者への関わりの難しさを表出させると共にその気持ちに共感し、見守っていることが、新人助産師にとって有効なサポートとなっていた。以上のような分析結果を元に、インタビューのガイドラインを再検討・修正し、新人助産師の聞き取り調査を実施している。 平成17年度も新人助産師の聞き取り調査を継続すると共に、臨床にて新人助産師を受け入れ、指導する管理者(助産師長または主任)に対しても、期待する新人助産師の能力を明らかにするための聞き取り調査を実施する予定である。
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