研究課題/領域番号 |
16592178
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
新田 真弓 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (00318875)
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研究分担者 |
平澤 美恵子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40211510)
神谷 桂 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助手 (50331484)
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キーワード | 新人助産師の能力 / 新人助産師の実践の実態 / 管理者が新人助産師に求める能力 / 新入助産師の卒後教育 / 助産師教育の効果 |
研究概要 |
本年度は、臨床に勤務している新人助産師がどのような能力をもち、実践をしているのかを明らかにすることを目的に、昨年実施した予備調査の結果を踏まえて、15名の新人助産師への半構成的面接法を用いたインタビュー調査を実施し、得られたデータの分析を行った。さらに、新人助産師を臨床にて受け入れ、教育・指導する管理者(産科師長または主任)のインタビューに向けたガイドラインの作成を行った。 新人助産師へのインタビュー調査では、新人助産師の臨床での実態と感じている困難性に焦点を当ててデータ収集をし、15名のインタビューから得られたデータを文脈にそって分析した。 その結果、新人助産師は臨床において【周囲からの評価により感じるとき】【質量共に業務内容が拡大していると感じたとき】【自分で仕事を調整できていると言う自覚が出たとき】などのきっかけで、自分が臨床に慣れてきていると感じ、対象者との良好な関係性の形成を実感することから助産師としての楽しさややりがいを見出していた。また、新人助産師は、助産ケアを実施する中で【正常と異常の判断ができない】【初めてのハイリスク妊産婦へのケアに対する戸惑い】【新生児死亡や新生児の異常などに直面して動揺する】【対人関係に悩む】などの困難に直面しながら、自分なりに努力したり、先輩との関係の中で対処法を見出しながら、乗り越えていた。加えて、先輩助産師と共に学ぶ機会を得る、プリセプターから個別性を生かした助言を得る、先輩助産師の支援を受けてプライマリーのケースから実践的な助産ケアを学ぶなど、周囲からの有効なサポートによって新人助産師が支られていることが示唆された。 新人助産師は、自分が受けてきた助産師教育の中で【実際の場面に触れることでの学ぶ】【対象者を尊重するケアのあり方を知る】【助産師としてのモデルを知る】【継続的ケアの重要性を実感する】などが現在の自分の臨床実践に影響を及ぼしていると感じていた。一方で、妊婦へのケア、分娩期のケア、母乳育児を促すケア、ハイリスクの対象者へのケアなどが助産師教育の中で不足していると感じ、入職してすぐにこれらのケアを実践することに不安を感じていた。今後は、自らの助産ケアを充実させ、対象者から信頼を得られる、幅広い活動のできる助産師になりたいと考えていた。さらに、以上のような新人助産師のインタビュー結果を踏まえて、管理者へのインタビューガイドを検討し、作成した。 平成18年度は、管理者へのインタビュー調査を実施して、その結果を分析すると共に、新人助産師の調査結果と合わせて検討を行い、新人助産師へ求められる実践能力を明らかにし、必要とされる助産師養育とその到達度を検討する予定である。
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