研究課題/領域番号 |
16592196
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮崎 美砂子 千葉大学, 看護学部, 教授 (80239392)
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研究分担者 |
佐藤 紀子 千葉大学, 看護学部, 講師 (80283555)
武藤 紀子 千葉大学, 看護学部, 助手 (60334182)
山田 洋子 千葉大学, 看護学部, 助手 (50292686)
本間 靖子 千葉大学, 看護学部, 助手 (20431736)
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キーワード | 訪問指導 / 地域保健活動 / 推進方法 / 予防的意義 / 自治体 / 医療保険者 |
研究概要 |
本年度は3か年計画の最終年にあたる。 本研究期間(3年間)に実施した4つの調査、すなわち、平成16〜18年度にわたり実施した「地域保健・老人保健事業報告(厚生労働省)からみた自治体による訪問指導の実態調査」及び「医療保険者による訪問指導の実態に関する質的分析」、平成17年度に実施した「訪問指導を事業の中に位置づけ予防的成果をあげている事例調査」、平成16及び18年度に実施した「海外における家庭訪問援助の予防としての成果に関する文献研究」の各調査結果を踏まえ、本年度は、研究代表者・分担者による複数回の討議を行い、予防的意義の高い訪問指導のあり方について、仮説的枠組を検討した。仮説的枠組には、(1)自治体及び医療保険者それぞれの実施主体による訪問指導の特徴、(2)自治体及び医療保険者それぞれの訪問指導が担う機能・役割の特徴、(3)自治体及び医療保険者の連携・協働体制を含め、検討を行った。また協力の得られた、地域保健活動における訪問指導経験の豊かな実践者から、仮説的枠組に対する意見を得て、仮説的枠組を考察するうえでの参考とした。 その結果、訪問指導の予防活動としての特徴を踏まえ、現代における訪問指導の効果的な推進方法として、以下の結論が得られた。すなわち、(1)継続的な視野をもった保健システムの中で、計画性のある組織的な体制で訪問指導を機能させること、(2)保健事業を展開する過程の中で、訪問指導のもつ特徴を効果的に機能させる戦略をもつこと、が有効である。特に医療保険者が推進する訪問指導においては、(a)医療費適正化の目的に対象者に対する実質的な目的を付加すること、(b)レセプト分析から重視すべき健康課題、対象者像を明確にすること、(c)在宅保健師、属託保健師等の人材を充分に活用して展開すること、(d)医療費適正化を含む複数の成果指標をもつこと、の各視点を活かすことが重要であると示唆された。
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