研究課題/領域番号 |
16592199
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
千田 好子 岡山大学, 医学部, 教授 (10216559)
|
研究分担者 |
岡野 初枝 岡山大学, 医学部, 教授 (40249529)
林 優子 京都大学, 医学部, 教授 (50284120)
犬飼 昌子 岡山大学, 医学部, 助手 (90331826)
渡邉 久美 岡山大学, 医学部, 助手 (60284121)
野村 佳代 岡山大学, 医学部, 助手 (90335589)
|
キーワード | 在宅療養患者 / 在宅ケア / 気管内吸引カテーテル / 細菌学的検査 / 形態学的検査 / 感染管理 |
研究概要 |
人工呼吸回路による長期在宅呼吸管理を必要とする患者の感染管理の実態と気管内吸引関連物品の細菌汚染に関する研究結果をもとに、呼吸器感染管理ガイドラインの作成に着手した。ガイドライン作成にあたり、エビデンスを確立するための基礎実験を実施した。先ず、気管内吸引に使用するカテーテルの材質を選択するためのエビデンスを明らかにした。つまり、在宅で再使用されたポリ塩化ビニル製とゴム製カテーテルについて、形態学的および細菌学的に汚染状況を評価した。結果、ゴム製カテーテルは、ポリ塩化ビニル製に比べ内・外側表面の凹凸が顕著で、微生物が入り込み増殖しやすい形状であった。また、カテーテルの付着生菌数(log・cfu/10cm)は、ポリ塩化ビニル製が2.70に対しゴム製は5.13と有意に高かった。これらから、ゴム製よりポリ塩化ビニル製カテーテルを第1選択とした方が望ましいことが明らかになった。 次に、ポリ塩化ビニル製カテーテルを再使用する場合の感染管理方法を明らかにするため、基礎実験を実施した。緑膿菌・PA01株で汚染された模擬痰(0.2%寒天入りハートインフュージョン)をカテーテル内に注入増殖(10^6cfu/ml)させた後、それを廃棄し、水道水20ml(在宅で多く使用していたもの)または100mlを吸引しカテーテル内腔を洗浄した。結果、水道水の吸引洗浄において20mlでは100mlの35倍の生菌数が検出された。このことから、喀痰吸引後のカテーテルは最低100mlの水道水を吸引・洗浄する必要性が明らかになった。さらに、洗浄後のカテーテルを、消毒液に浸漬保管する場合の、消毒剤および浸漬時間の基準を明確にするため、欧州標準検査法に基づく消毒剤不活化剤の有効濃度について実験した。結果、不活化剤は20%で十分不活化されたことから、実験を継続的に実施している。
|