研究課題/領域番号 |
16592201
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
東 玲子 山口大学, 医学部, 教授 (60184173)
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研究分担者 |
山根 俊恵 山口大学, 医学部, 講師 (40403662)
齋田 菜穂子 山口大学, 医学部, 講師 (00279233)
中尾 富士子 山口大学, 医学部, 助手 (40363113)
江藤 亜矢子 山口大学, 医学部, 助手 (80403666)
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キーワード | 高齢者 / 閉じこもり / 要因 |
研究概要 |
平成17年6-8月に「閉じこもり」に関する第1回目の実態調査を行った。調査対象は、A市在住の要介護認定を受けていない高齢者462人である。老研式活動指標、モラール、自己評価式抑うつ尺度、日常移動能力、人口動態情報、身体的・心理的・社会的環境情報を含む89項目の質問紙を作成した。応答者は女性249人、男性62人(計311人)、平均年齢77±6.9歳であった。本研究で「閉じこもり」と定義した「週に1回以下の外出、かつ一日外出せず、家の中または敷地内にいることが多い」と答えた者は、77人(24.8%)であった。閉じこもりと非閉じこもりの比較では、主観的健康度、日常生活自立度、外出介助、膝や腰の痛み、頻尿や尿失禁の不安、視力低下、難聴、外出後の疲労感、羞恥心、転倒不安、趣味、友達、一人での食事、交通量、交通便、年齢、老研式活動指標、SDSにおいて有意差が認められた。閉じこもりの要因として、重回帰分析で日常生活自立度、老研式活動指標、交通便、外出介助、年齢、SDS、主観的健康度、外出後の疲労感の8要因があげられた。今回の結果から、加齢とともに身体的な衰えや健康に自信が持てないこと、家族や友人などの人的環境、交通機関などの社会的環境が誘因となり閉じこもる傾向があることが分かった。また、これらの誘因から買い物や預貯金の出し入れなど、日常生活における技能とも言うべき活動を行なうことができないといった特徴があげられた。身体機能の向上だけではなく、趣味や友人を持つことで外出の意欲や機会を増やすことがうつ状態の予防にもなり、閉じこもりの防止に繋がると考えられる。
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