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2004 年度 実績報告書

看護実践に生かすシャーマンにおける「癒し」のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 16592205
研究機関青森県立保健大学

研究代表者

藤井 博英  青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (60315538)

研究分担者 山本 春江  青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (00315540)
角濱 春美  青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (30256359)
村松 仁  青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (50303433)
中村 恵子  青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (70255412)
田崎 博一  青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (20179683)
キーワード看護 / シャーマン / シャーマニズム / 癒し / コンプリメンタリーセラピー / 精神保健 / 慢性疾患患者 / 外来看護
研究概要

調査時に外来受診している慢性疾患患者で、「イタコ」「カミサマ」などのシャーマンを訪れた経験がある者を対象に半構成的インタビューを行った。その結果、対象者は、どういう事をすれば、困ったことが解消されるかをシャーマンに指示され、それを受けて(1)「気持ちのけじめができた」、(2)「腹をくくった」(3)「気持ちが軽くなった」、(4)「気持ちが明るくなった」などと心の変化を感じ、これを癒しと表現していた。
また、沖縄ではユタというシャーマンが存在し、癒しの担い手になっていると言われている。そこで、沖縄及び宮古島を訪れて、精神科医とカンカカリャのA氏のインタビューを行った。
カンカカリャの成巫過程である「神ダーリ」に精神医学的に関わりを持つ精神科医との面談の結果、得られた内容は、(1)軽いうつ病やメンタル面で問題をもつ対象者は、精神科外来(クリニック)やユタを訪れ、うまく対処している、(2)「精神医学」と「シャーマニズム」は、対立構造ではなく共存しているなど、医療の場において伝承的なシャーマンを受け入れていることが明らかとなった。
さらに、「カンカカリャ」のA氏に対して相談内容や、役割についてのインタビューを行った。その結果、利用者の相談内容は、死者との交信や先祖や土地に関わる霊的相談、運勢、病気治療や進学、就職、結婚問題など広範囲で多義にわたっており、相談への対処としては、その問題の因果性を判断して「判示」を与える指示的な関わりをしていた。さらに、カウンセリングや癒しの役割を果たしている自覚があった。
(1)医療との共存、(2)指示的な関わりにより、因果関係がわかることで「見通しをつけ」、「気持ちを明るくする」ことで癒しをもたらしていると考えられた。
今後、送り手であるシャーマンの言動が、受け手である利用者にどのように関与し「癒される」のかとを、青森県の「イタコ」・「カミサマ」においても同様の構造であるかを、明らかにしたい。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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